投資を行う上で最も重要だと言われ、通常の業務、仕事ではあまり意識することがないもの、それがリスクです。

リスクは英語で翻訳すると「危険」と訳されることが多く一般的に、

「リスク=危険」

であるという認識が強く、リスクが高いと言われるとそれだけ危険性が高いという解釈をする人が多いです。

しかし投資の世界では、

「リスク=結果が不確実であること」

と解釈されることが多く、リスクが高い投資と聞くとそれは結果の不確実性が強い、言いかえれば「結果が荒れやすい投資」であるという解釈がされます。

 お金紙に




ハイリスクハイリターンとローリスクローリターン

投資に詳しくない人がハイリスクと聞くとたくさんお金を失ってしまう可能性が高い、危険レベルが高いという認識をし、逆にローリスクはお金をあまり失わない、危険レベルが低い投資であると認識します。

しかしリスクとは先述した通り、危険を意味する言葉ではなく結果が不確実であることです。

つまりハイリスクの投資とは「結果が荒れやすい投資」で、逆にローリスク投資とは「見込み通りの結果が出やすい投資」であると言えます。

投資業界ではリターンが大きい投資は一般的にハイリスクな投資、つまり結果が荒れやすいと言われています。

逆にローリスク、つまり結果に確実性が高い投資はローリターンとなります。

ローリスクハイリターンはあり得ない?

よく怪しげな投資の話や情報商材等に「ローリスクハイリターンの投資」という言葉が出てきますがローリスクハイリターンは通常あり得ません

そもそもなぜ投資によってハイリターンが得られるかというと失うリスクが高いため、その投資を行う人が少ないからです。

投資をする人が少なければ利益が発生した時に分配される人が少なくなるわけですからリターンも大きいものになります。

逆にローリスク、つまり見込み通りの結果を得られる可能性の高い投資は投資家が集まりやすいため、リターンも小さくなります。

なので仮にローリスクハイリターンだと思う投資があるとすると、誰もがそれに投資したいと思うわけですから投資家が増えれば増えるほどリターンが小さくなってしまいます。

だた、ハイリスクローリターンの投資は実は結構あり得ます

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というのも日本人は投資に疎い人が多いため、リターンを金融会社に搾取される仕組みになっている商品がたくさんあります。

そのためリスクの割にリターンが小さい投資信託が蔓延しているのが現状です。

実際、リターンが低い上に確実性も低い買ってはいけない金融商品に投資をしてしまって失敗するケースは少なくありません。

投資信託のリスクの見分け方

投資信託は他の投資に比べローリスクローリターンのイメージが強いですがハイリスクハイリターンを狙った投資信託も多いです。

中には2~3年で元本の倍近くになったり、逆に半分くらいになってしまう投資信託もあります。

投資信託のリスクの度合いを見抜くにはその投資信託が何に投資をしているかある程度知っておく必要があります。

例えば日本株よりも新興国株(ロシアやブラジル、アジア諸国等)へ投資する方が圧倒的にリスクが高く、一般的に債券よりも株式投資の方がリスクが高いです。

これらをある程度理解しておけばその投資信託のポートフォリオを見てある程度リスクが高いのか、低いのかが分かってきます。

ポートフォリオ

上記のようなポートフォリオ(資産構成)だと外国投資が中心なので比較的リスクが高いと言えます。

もちろんどの国に投資するかで大きく変わってきますが、投資先の詳細は各ファンド(投資信託)の詳細ページかモーニングスター等の情報サイトで確認することが出来ます。

参考記事:投資信託選びに必須!モーニングスターの基本的な見方と使い方

ちなみに上記画像のファンドの内訳の詳細はアメリカ及びフランスを始めとするEU圏が中心だったため比較的安定的なファンドでした。

情報サイトでリスクを確認する

先ほど上げた投資情報サイト、モーニングスターでは投資信託を検索してその投資信託が全体的に見てリスクが高いのか、低いのかを確認することが出来ます。

モーニングスターのトップページに行くと検索ボックスがあるのでこれから投資しようと思っているファンド、もうすでに所有しているファンド等を検索してみてください。

モーニングスタートップ

検索すると様々な情報を見ることが出来ます。

各投資信託の情報ページまで行くと中央付近に「レーティング&リスク」という項目があります(下画像参照)。これをクリックするとレーティングとリスクの詳細を閲覧することが出来ます。

ちなみにレーティングとはそのファンドの格付けを意味しています。モーニングスターでは5段階の★で表されていて最大5つ、多ければ多いほど優良なファンドであることを意味しています。

セゾン

レーティング&リスクのタブを開いたら下画像のような画面が表示されます。リスクを表している項目はたくさんありますが初心者でもわかりやすく重要な項目は標準偏差です。

基準偏差

標準偏差を確認すると過去1年、3年、5年、10年で最大どれくらい損失するリスクがあったか(想定最大損失額)を算出することが出来ます。

例えば上記「セゾン バンガード・グローバルバランスF」の過去1年間の標準偏差は10.81(%)となっています。

想定最大損失額は、

投資額×(標準偏差値×2)=想定最大損失額

で求めることが出来ます。

例えば上記ファンドを100万円投資していた場合、

100万円×(10.81%×2)=21万6200円

が想定最大損失額となります。

もちろんこれはあくまで最悪の結果これくらい失うリスクがあった、という目安です。

順位を見てみると過去1年のセゾン バンガード・グローバルバランスFのリスクは同分類ファンド216本中139位で真ん中よりやや低いリスクとなっています。

他のファンド、現在(2016年5月)価格ドットコムで人気ナンバー1のファンド、「新光 US-REITオープン」を見てみましょう。

新光モーニングスター

過去1年の標準偏差は18.11%です。

100万円投資した場合最大で36万2200円の損失リスクがある計算となります。

上記セゾンのファンドと比べるとリスクの高い投資信託であると言えます。

もちろんリスクが高い=悪ではなく、あくまで資産を失う振れ幅が広いだけで安定的な投資を目指している人には向かないだけです。

先述した通りリスクの高い投資はリターンも大きい投資であることが多いです。問題はリスクの高い商品に投資することではないくリスクが高くリターンが小さい商品に投資することです。

どれだけリターンがあったかは「トータルリターン」で確認することが出来ます。

参考記事:投資信託は分配金よりトータルリターンを見て儲けているか判断しよう

ライフスタイルに合わせた投資をしよう

ハイリスク投資とローリスク投資のどちらが良いかは投資する人によって変わってきます。

例えば今勤めている会社が安定的な企業だったり公務員だったりする場合はハイリスクハイリターンの投資をしても良いと思いますし、逆に自営業やフリーランスなら手堅いローリスク投資の方が適していると言えます。

もちろんローリスク投資とハイリスク投資両方取り入れたポートフォリオ(資産構成)を組んでも良いわけです。

一番問題なのは自分が投資している金融商品がローリスクなのかハイリスクなのかよくわかっていないことです。

小林顔

特に投資信託は投資のことを全く分かっていない人が預金感覚で始めてしまうことが多いため、ローリスクだと思っている投信がハイリスクな投信だということがよくあります。

特に初心者の場合、。投資信託を購入する前は必ず情報サイト等でリスクを確認するようにしましょう。