投資信託は比較的ローリスクと言われていますが、元本を大きく割り大損してしまうことも少なくありません。

優良と言える投資信託でも5年間、10年間という長期間で見れば損失を出している期間が必ずと言っていいほどあるでしょう。

良いファンドでもタイミングが悪ければ元本を大きく下回ってしまうことも少なくないのです。

ということで本ページでは購入した投資信託が元本割れを起こし、売却すべきか迷っている人のために、売却すべきかどうかの判断基準を解説します。




良いファンドかどうか見極めよう

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持っているファンドが元本割れしてしまった時に、そのファンドを売却すべきかどうかは、そのファンドが良いファンドなのかダメなファンドなのかによります。

良いファンドであれば持ち続けても良いのですが、ダメなファンドはすぐに売るべきです。

では、良いファンドとは?ダメなファンドとは?どんなファンドなのでしょうか?

ここでは、そんなファンドの良し悪しを判断する基準を紹介していきます。

基準価額、純資産が下がり続けているファンドはダメ

徐々に基準価額、純資産が下がり続けているファンドはダメなファンドです。

※基準価額が下がり続けているファンドの一例

ゼウスのチャート

ファンド設定初期は広告営業効果によって基準価額、純資産ともに増加していきます。

しかし、新しいファンドはどんどん設定されていくので、その効果は長くは続きません。

良いファンドであればファンド設定初期の広告営業効果がなくなってからも、投資家からの資金流入が続きます。

例え市場の落ち込みによって一旦基準価額を落としたとしても、純資産は積み上がっていきます。

良いファンドは運用によって利益を確保が出来ているからです。

対してダメなファンドは投資家からの資金流入が広告営業効果がなくなる頃から減り始め、時間が経てば増えるどころか資金が流出し始めます。

そうするとやがて基準価額も純資産も時と共に目減りしていきます。

こういった基準価額、純資産が共に減少していっているファンドを保有していても、損をするだけなので早々に売却した方が良いでしょう。

参考記事:基準価額が下がっている投資信託を買ってはいけない理由

旬を過ぎているファンドもダメ

市場やファンドにもトレンドや旬があります。

例えば、ブラジルレアル、カナダドル、IT特化型、バイオ関連、ロボット関連、自動運転関連…etc

こういったトレンドや旬を捉えたファンドは、設定初期のトレンドや旬真っ盛りの時は良いのですが、トレンドや旬が過ぎてからは、基準価額、純資産がガクッと下がる傾向にあります。

永遠に続くトレンドや旬は、本当に一握りです。

そして再度日の目を見ることができるトレンドや旬はまず無いので、トレンドや旬が過ぎて基準価額がガクッと下がったファンドを保有しているのなら、早々に売却した方が良いでしょう。

最近だとブラジルレアル関連とか…まだ持ち続けていると損失は増える一方でしょう。

同種類ファンドと比べる

保有しているファンドが基準価額、純資産共に下がり含み損を抱えた時に、それがファンドに原因があるのか?市場に寄るものなのか?を判断するには、同分野(アセットクラス)へ投資しているファンドと比べることですぐに分かります。

同分野のファンドと比較した際に、他のファンドも同じように基準価額、純資産が下落しているのであればそれは市場によるものの可能性が高いです。

アセットクラス(投資対象となる資産の種類や分類)の市場が景気後退等により冷え込んでいる場合は一時的にファンドの価値が下がるのもやむを得ません。

この場合、低くなっている基準価額は、逆に割安に優良なファンドを購入できるチャンスと捉えることができます。

しかし他の同分野のファンドは順調に基準額も純資産も増加しているのに、保有しているファンドだけが基準価格も純資産も減少しているのならこれはファンドに問題がある可能性が高いです。

もしファンドに問題がある可能性が高いのなら、そのファンドは早めに手放した方が良いでしょう。

また同分野への投資といっても基準にしている指標によって、そのパフォーマンスは大きく変わります。

ファンドを比較する際には、その点に注意して、同分野の中でも同じ指標を採用している複数のファンドと比較するのが良いでしょう。

ダメなファンドを所持し続けても損失が増えるだけ

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ダメなファンドを所持し続けると、残念ながら確実に損をするだけです。

ダメなファンドの典型的な例を解説すると…

例えばあるファンド、Aファンドが基準価額、純資産が下がり続けているとします。

Aファンドは、純資産が下がり続けている、つまり、常時資金がファンドから流出している状態です。

そして、資金流出がある一定のラインを超えると、指標としている基準(分配金や基準価額)を維持することができなくなります。

こうなると、そのファンドを新規で購入する方は少なくなり、資金の流入も少なくなり、逆に売却する人が増えるため、ファンドからの資金流出が加速します。

よくあるのが分配金が減少、またはなくなって売却が殺到するケースです。

更にファンドの運用が逼迫してくると、ファンドはコア資産を売却して資金を作る必要に駆られますが、資産は優良な物ほど換金しやすいためそれらが優先的に売却されます。

資産売却を続けていけばファンドの資産は市場で売るに売れない資産(流動性の悪い資産、市場価値が下がっている資産等)の割合が増えていきます。

ここまでくると、もうファンドの存在価値はありません。ファンドは残りの資産を保持したまま、生きる屍のようになり、いずれ消滅(償還、ファンドの終了)するでしょう。

そして、最後まで保有していた投資家にはこの売るに売れない資産を叩き売ってできた資金が保有口数に応じて支払われます。

その金額はファンドを購入した当時の金額よりも、かなり目減りしているはずですので解約まで保有していた投資家は大損でしょう。

こうならない為には、自分が保有するファンドを定期的にチェックすることが大切です。

保有しているファンドの、基準価額と純資産が継続して減少し始めたら売却を検討した方が良いでしょう。

また、ファンドの基準価額が下がり「今売ったら大損だから、いずれ値を戻したら売却しよう!」と思い、ずっと保有しているファンドがあるのなら、早めに売却した方が良いでしょう。

基準価額や純資産の減少が続いているファンドはその後、何かの弾みで基準価額が復活するようなことはまずありません。

辛いでしょうが、早めに売却しておいた方が損失を最小限に抑えることができます。

まとめ

ダメなファンドを保有していても救われることはありません。

もし、保有しているファンドがダメなファンドだと分かったら早々に売却した方が良いでしょう。

そして「このファンドはダメなファンドだよ」と教えてくれる親切な方はいないので、自分で定期的に保有ファンドをチェックしてダメなファンドを保有していないか確認することが大切です。

塩漬けファンドに見切りを付ける方法

最後に、売るに売れなくなった塩漬けファンドに見切りを付ける方法というか、

「これは塩漬けファンドだから早急に売却しなければならない」

と思い立つ一言をを紹介します。

それは、「買い増し出来ないファンドはダメファンドである」です。

もう少し保有すれば上がるかもしれないと本気で思えるならそのファンドを買い増し出来るはずです。上がることに期待して保有出来るということは買い増しして利益を増やせるとも考えられるはずです。

それが出来ないということは本心では分かっているはずです。

早急に売却して別の優良ファンドに切り替えましょう。