投資信託は本来ローリスクローリターンの長期投資に向いている金融商品です。
このサイトでも勧めている投資信託は安定的かつ長期的に見て資産を増やすことが出来る見込みがあるものばかりです。
しかし中には「もう少しハイリスクハイリターン投資がしたい」という人もいるでしょう。
特に資産にそれなりに余裕があり、元本を多少減らすことにそれほど問題ないという場合や安定的な投資の他にややリスクの高い金融商品に投資するのも一つの手だと思います。
ただ、投資信託はハイリスクな商品はたくさんあってもハイリターンを見込めるものは少ないのが現状です。
というわけで本ページでは比較的ハイリスクハイリターンの投資信託の選び方を解説します。
ハイリスクハイリターン投信の選び方のポイント
ハイリスクハイリターン投資と言っても投資信託の場合、短期売買による売買益(キャピタルゲイン)で収益を上げようとしたり、高利回りの分配金を狙ったりというやり方はオススメできません。
投資信託の基準価額(購入時、売却時の価格)は市場によって変化するわけではないので相場より安く買えたり高く売ったりすることが出来ないからです。
参考記事:基準価額が下がっている投資信託を買ってはいけない理由
また、高い利回りの分配金が支払われているからといって手を出すのも危険です。分配金は必ず出るものではないですし、急に半減することも少なくありません。更に分配金を受け取ると税金も掛かってくるので短期的に分配金を得ても利益につながりにくいです。
というわけでハイリスクハイリターンを狙う場合でもある程度投資信託の基本的な選び方に基づいて判別した方が無難と言えます。
ポイントは以下の5つ。
- 分配金再投資型
- 純資産、基準価額が上昇傾向
- 信託報酬が安価
- 集中投資
- トータルリターンの高いものを選ぶ
最初の3つは投資信託を選ぶ上で最も重要なポイント、後の2つはハイリスクハイリターン投資向けのポイントです。
ハイリスクハイリターンでも選ぶポイントは変わらない
「分配金再投資型であること」
「純資産、基準価額が上昇傾向であること」
「信託報酬が安価であること」
この3つは投資信託を選ぶ上で欠かせない必須条件であると言えます。
分配金再投資型であること
まず分配金ですが、投資で資産を増やすポイントは複利にあるわけですから分配金を再投資しない投信で高いリターンは見込めません。
分配金に関してはこちらの記事に詳しく書いていますが高いリターンを得たいなら分配金再投資型の投資信託であることは必須事項です。
純資産、基準価額が上昇傾向であること
2つ目の「純資産、基準価額」ですが、特に純資産は増加し続けているファンド(投資信託)でないと危険です。純資産が減っているということはそのファンド自体の資金が流出しているということ。資金が流出しているファンドから高いリターンを得られるわけありませんよね。
基準価額についても下降傾向にあるファンドは今後上がる見込みがあまりないので避けておくべきです。
ただし、どちらも投資している金融資産の市場価値が下がっていれば下降してしまうので一時的に下がるのはやむを得ないです。
下がっている投資信託を購入する場合は何故減少しているのか、今後回復の見込みがあるかの見極めが重要です。
信託報酬が安価であること
信託報酬に関してはハイリスクハイリターン投資を希望する場合は多少高めに見ても構わないのかもしれません。
私は個人的に投資信託を購入する際の信託報酬は0.7%以下のものを選ぶようにしていますがハイリスクハイリターン投資の場合アクティブ型の投資信託に多い1.5%程度くらいまでなら見込んでも大丈夫かと思います。
ただ、投資信託の手数料は安いものを選んで間違いなしという記事にも書きましたがアクティブ型だからと言って高いリターンを見込めるとは限らないので始めから手数料(信託報酬)の安いものを選んで間違いないとは思っています。
集中投資でハイリスクハイリターンを狙う
投資信託におけるローリスクローリターン投資とハイリスクハイリターン投資の明暗を分けるのは「何に投資しているか」です。
最もローリスクローリターン投資と言われる国内債券に投資する投資信託より新興国の債券に投資する投信の方がハイリスクハイリターン投資になりますよね。
もう一つ、投資は分散するとローリスクローリターンとなる性質を持っているのでハイリスクハイリターン投資をしたければ集中投資をしている投資信託を狙う必要があります。
すなわち、
・集中投資⇒ハイリスクハイリターン
・新興国株、債券⇒ハイリスクハイリターン
・振興国株、債券へ集中投資⇒最もハイリスクハイリターン
となります。
投資対象とリスクの大まかな相関図は下記の通りとなります。
右上のハイリスク投資への集中投資が最もリスクが高くなるのでハイリスクハイリターンの投資信託を購入するなら新興国の債券や株式を中心としたファンドとなります。
次いで国内及び先進国の株式へ投資する投信がハイリスクハイリターン投信と言えるでしょう、こちらはかなり人気があります。
トータルリターンの高いものを選ぶ
上記までの条件で絞ったら次はトータルリターンを確認しましょう。
トータルリターンとはその投資信託が生んだリターンの実績値で各ネット証券会社やモーニングスター等の情報サイトで確認することが出来ます。
トータルリターンについての詳細は下記ページをご参考ください。
参考記事:投資信託は分配金よりトータルリターンを見て儲けているか判断しよう
※SBI証券の場合は各ファンドのページの下の方に表記されています。
※モーニングスターは各ファンドのページのリターンタブをクリックすると詳細が見れます。
上記トータルリターンはどちらもJPM ザ・ジャパン(JPモルガン・アセット・マネジメント)のものです。
投資対象は国内株式一点のみ。信託報酬が1.86%(カテゴリ平均1.69%)とやや高いものの過去10年のリターンはカテゴリ内で1位となっており、ハイリスク投信としては優良ファンドと言えるでしょう。
ただし、過去の実績は将来を保障するものではありません。
投資信託の場合、購入者が多いからと言って価値が上がるわけではないので株取引以上に過去の実績が将来の影響を受けにくいと考えます。
トータルリターンだけでなく投資対象の将来性を見て判断するようにしましょう。
日本株だけ、先進国だけ、新興国だけの投信ならどの分野の企業に投資しているか各ファンドの目論見書を見ればある程度わかります。
まとめ
以上ハイリスクハイリターン投信の選び方の要点だけまとめると、
- 基本的には通常の投資信託の選び方と変わらない
- 何に投資しているかで判断する
- 一点集中投資はハイリスクハイリターン
- トータルリターンの高いものを選ぼう
といったところですね。
投資信託はとにかくハイリスクの商品はたくさんあってもハイリターンを実現するものはごくわずかに限られているので選ぶ際は慎重に選びましょう。