投資信託には大きく「パッシブ型(インデックス型)」と「アクティブ型」の二つに分かれます。

パッシブは受動的を意味しアクティブは積極的、能動的を意味する言葉です。

投資信託は現在日本に5千種類以上あると言われていますが、どのファンド(投資信託)もこのパッシブ型(別名インデックス型)とアクティブ型のどちらかに分かれます。

パッシブ型の運用とアクティブ型の運用では投資信託を選ぶ上で最も大きな指標でありここで間違った選択をしてしまうと自分の運用方法に合った投資信託を選ぶことが出来なくなります。

ではパッシブ型の投資信託とアクティブ型の投資信託はどちらを選ぶべきか?

結論から言うと長期投資をするなら絶対にパッシブ型が良いと言えます。

また、パッシブ型の投資信託はインデックスに連動して運用されるため、一般的に「インデックス型投資信託」と呼ばれます。

以降は「インデックス型」で統一します。




2つの運用スタイルの違いと特徴

積極消極

インデックス型とアクティブ型の運用の違いについてですが、それぞれの特徴を書き出すと以下のようになります。

インデックス型アクティブ型
・インデックスに連動した運用を行う
・システムが運用するため手数料が圧倒的に安い
・長期的に安定した運用が期待出来る
・平均値で運用するため極端に伸びることはない
・平均よりも上を目指す運用
・大きな利益を生む可能性がある
・専門家の手で運用するため手数料が高い
・大きく損失する可能性もある

インデックス型はベンチマークに連動して運用

インデックス型は投資信託の運用の物差しとしている「ベンチマーク」に連動することを目指して運用されます。

ベンチマークは主に「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」、「ニューヨーク・ダウ平均株価」等のインデックス(株価指数)です。

ちなみに日経平均株価やニューヨークダウなどの株価指数は主に「日本経済新聞社」やアメリカの「ダウ・ジョーンズ」などの新聞会社が算出、公表しています。

インデックスは広く利用されており、それら(インデックス)を基に組まれたファンド(投資信託)はインデックスファンドと呼ばれます。

下の2つの画像をご覧ください。

一つ目の画像(上の画像)は日経平均株価に連動する「ニッセイ 日経225インデックスファンド 」という投資信託の過去10年間の基準価額の推移を表すグラフ、2つ目の画像は過去10年間の日経平均株価の推移のグラフです。

日経225インデックスファンド

日経平均10年

かなり似たような推移となっていますよね。

もう一例見てみましょう。

下の画像はMSCIというアメリカの金融会社が算出するインデックス(株価指数)、MCSIコクサイ(日本以外の先進国株)のグラフです。

続いて下の画像はそのMSCIに連動して運用される野村 外国株式インデックスファンドという投資信託。

完全に一致、というほどではありませんがやはりほぼ同じような動きになっていますよね。

 

インデックスファンドは世界中でも親しまれている投資信託の定番中の定番です。始めの1本を買う際はインデックスファンドを選ぶと良いでしょう。

パッシブ型投資信託、もといインデックスファンドは機械的にインデックスと連動して運用するため運用手数料が圧倒的に安いことが特徴です。

アクティブ型の投資信託の手数料は1.5%~3%を超えていることもありますがインデックス型は0.5%以下のものがほとんどです。

運用手数料は1%違うだけでも100万円投資している場合1年で1万、5年で5万変わってくるのでバカに出来ません。

おすすめのインデックスファンドに関しては以下の記事でまとめています。

関連記事:長期投資に適したおすすめインデックスファンド5選

アクティブ型はハイリスクハイリターン

アクティブ型の投資信託はベンチマーク以上、平均を上回る運用を目指した投資信託です。

株取引で分かりやすく例えるなら、上がることを見越して買ったり、下がることを見越して売ったりするような運用の仕方を行っているわけです。

アクティブ型のファンドは専門家(ファンドマネージャー)が平均以上を目指すので大きなリターンを得ることが出来る可能性を秘めています。

が、その反面運用に失敗し、大きな損失が出てしまう可能性も同じくらいの確率で秘めています。

株投資の世界ではどんなに優れた専門家でも株の値動きを読むことは不可能だと言われているため多くの投資家はアクティブ型のファンドよりインデックスファンドを推奨しています。

何故なら現実的に平均以上の運用を実現出来ているアクティブ型のファンドはほとんどないからです。

投資信託はインデックスファンドが基本

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先述した通り日経平均株価やTOPIX、ニューヨーク・ダウ平均、MSCIコクサイ等のインデックスをベンチマークとしたインデックスファンドは世界中でも人気があります。

というのもインデックスファンドは手数料が安く安定的に資産を増やすことが出来るため投資信託を購入する人のニーズに合っているからです。

日経平均株価がバブル崩壊後ほとんど成長していないので実感が湧きませんが、海外に目を向ければアメリカや欧州等の先進国を筆頭に世界経済は成長し続けています。

下の画像は日本を除く海外70か国を対象としたグローバル投資型のインデックスファンドのベンチマークとして最も有名なインデックスのグラフです。

msシコクサイ

2000年代初頭のITバブル崩壊、2008年のリーマンショックで値下がりをしているものの、30年近く右肩上がりで成長し続けています。

複数のインデックスに投資してリスクを分散

インデックス型の投資信託は一つのベンチマーク(インデックス)に投資するファンドだけでなく、複数のインデックスに投資してリスク分散を図るものもあります。

例えば三井住友トラスト・アセットマネジメントが運用する「世界経済インデックスファンド」は、

  • TOPIX(国内株式)
  • MSCI コクサイ・インデックス(先進国株式)
  • MSCI エマージング・マーケット・インデックス(新興国株式)
  • NOMURA-BPI 総合(国内債券)
  • シティ世界国債インデックス(先進国債券)
  • JPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックス-エマージング・マーケッツ・グローバル・ディバーシファイド(新興国債券)

 

の6つのインデックスを投資対象としています。

国内の株式や債券でリスクを軽減しつつ、成長率の高い外国株や債券に投資して伸ばして行くという運用方法です。

海外の株式や債券は国内投資だけの投資信託と比べるとややリスクが高いですが、特に先進国株は安定的に成長しているので長期的に見れば大きなリターンを得られる可能性を秘めています。

まとめ

消極

銀行や保険会社、証券会社の投資信託担当者は安定しやすいインデックス型よりもリスクの高いアクティブ型の投資信託を勧めてきます。

これは決して「儲かりやすいから」とか「初心者に向いているから」というわけではなく、単純に運用手数料が高いので販売側にとって儲かりやすいからです。

実際はこれまで述べてきたようにパッシブ型(インデックス型)の方が安定的でリスクも低く、長期投資に向いています。

株取引や不動産、FX等様々な投資がある中で投資信託を選ぶほとんどの人は恐らく長期投資を計画しているはずです。

特に初めて投資信託を買う人、または以前失敗して次は良いファンドを購入したいと考えている人はまずインデックス型の投資信託に絞ってみましょう。

インデックスファンドはSBI証券や楽天証券などでたくさん取り扱っているので下記記事も合わせてご参考ください。

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