新興国を対象とした「上場インデックスファンド新興国債券」を運用してみようかなと思っている方もいらっしゃると思います。
運用リスクの低い債券型を取りながらも、経済発展が行われている新興国を中心に投資しているため、高い利回りを狙うことができます。
次のどれかに当てはまる方にとっては、上場インデックスファンド新興国債券は「買い」といえます。
- 投資信託を始めてみたいが、はじめの1つがわからない人
- 少額で投資をはじめてみたい
- リスクを抑えながらも、そこそこのリターンを狙いたい
- 一定期間ごとに配当金を受け取って、資産が増えていることを確認したい
本記事では、上場インデックスファンド新興国債券の概要とおすすめする理由をお伝えいたしましょう。
上場インデックスファンド新興国債券の概要
まずは、上場インデックスファンド新興国債券の概要をおさらいしておきましょう。
名称 | 上場インデックスファンド新興国国債(愛称:上場新興国債) |
対象 | 債券のみ |
地域 | 新興国(海外) |
利回り | 6.04% |
総資産額 | 154億円 |
基準価格 | 49,026円 |
信託報酬 | 0.450%(税別) |
※情報は2018年7月時点です |
上場インデックスファンド新興国債券は、外国債券型の投資信託です。
新興国にバランスよく投資することで、5%以上もの利回りを狙うことができるのが特徴です。
また、ETF(上場投資信託)でもあることから株式のように自由に売買することができ、運用リスクの低減を図ることもできます。
ETFについては下記ページをご参照ください。
関連記事:ETFとは?基本と特徴をまとめる
2017年11月末現時点での国別投資割合は、次のとおりです。
- アジア – 41%
- その他地域 – 33%
- 中南米 – 25%
アジア諸国や中南米への投資がメインとなっています。
新興国への投資は利回りは高いものの、その分値動きの変動も多いので注意が必要です。
ETFのメリット
上でも少し触れましたが、上場インデックスファンド新興国債券は文字通り「インデックス型のETF商品」です。
ETFのメリットとしては、
- 個別銘柄に投資することによってリスク分散が図れる
- 値動きが安定している
- いつでも売買ができる
といったメリットがあります。
ETFは株のようにリアルタイムで売買を行えるだけでなく、個別銘柄に投資することによって運用リスクを低くできる点がポイントです。
また、この商品は「ブルームバーグ・バークレイズ自国通貨建て新興市場国債」という指数に連動するようになっているため、値動きが安定しているもの特徴といえます。
なお、「ブルームバーグ…」の名前を耳にした方は少ないと思いますが、一定の基準を満たした新興国の国債によって構成される指数のことをいいます。
ETFのデメリット
一方、デメリットとしては、
- 特定の銘柄を指定するわけではないため信託報酬が少し高め
- 好きな銘柄に投資はできない
- インデックス型債券を対象としているため、ハイリターンは期待できない
の3つが挙げられます。
上場インデックスファンド新興国債券は、投資家から集めたお金を信託会社がそれぞれの国の銘柄に投資します。
そのため、こちらで銘柄を選ばなくてよい分、信託報酬(=手数料)が少し高めの0.45%(税別)となっている点に注意が必要です。
同様の理由から、個々人の希望する銘柄に投資することもできません。
また、「ベンチーマークとの連動」「債券のみが対象」となっていることから、高いリターンを狙う方にとってはおすすめできない商品となっています。
リターンとリスクのバランスを重視する人におすすめ
こうした方に向けて、上場インデックスファンド新興国債券をおすすめする理由は次の3つです。
- 理由1:少額からはじめられ、低コストで分散投資ができる
- 理由2:リターンとリスクのバランスが取れている
- 理由3:途中で追加投資も可能
理由1:少額からはじめられ、低コストで分散投資ができる
他の投資信託や株投資をしようとすると、1つ買うのにで数十万~数百万かかってしまうこともあります。
この商品であれば、1口5万円台から投資することができます。
(※売買価格はそのときの基準価格に準じます。)
また、概要のところでご紹介したように複数の国に分散投資しているため、運用リスクも比較的小さくできるのがうれしいところです。
理由2:リターンとリスクのバランスが取れている
基本的に債券を対象とした投資信託は、基本的に元本割れのリスクがないためローリスク・ローリターンです。
そこに海外、しかも経済発展のある新興国を対象とした地域に投資することで、リスクを抑えながらも高い利回りを狙うことができます。
もちろん、株投資ほどの高いリターンは難しいですが、リターンとリスクを両立したい方にとってはおすすめの1品といえるでしょう。
理由3:途中で追加投資可能
資金に余裕がでてきた場合は、運用途中で追加投資も可能です。
リターンは投資した口数に比例しますので、より多くのリターンを狙いたいときは追加で購入するのがいいでしょう。
もちろん、ETFのため運用途中での売却も可能です。
為替リスクと年6回の分配金があることに注意
その一方で、この商品を買ううえで気をつけるべきポイントも2点あります。
- 注意点1:為替変動による売買価格の変化
- 注意点2:先進国債券より値動きが激しい
- 注意点3:2か月に1度分配金が支払われる
注意点1:為替変動による売買価格の変化
新興国そのものに投資する債権型のため、どの地域でも「現地価格での元本割れ」はほぼ発生しません。
しかし、それを日本で売買しようとすると必然的に為替変動の影響をうけます。
海外の投資信託商品を買うときは、円高のときに買い、円安のときに売るのがポイントです。
注意点2:先進国債券より値動きが激しい
新興国への投資のため、先進国向けの国債券よりも値動きはどうしても大きくなります。
その分だけ高いリターンを見込めるのですが、安定性を重視したい方であれば先進国債券や国内債券を狙うのがいいでしょう。
また、新興国だからといって必ずしも値上がりする商品とはいえないため、今後の動きに注目しておくとよいです。
注意点3:2か月に1度分配金が支払われる
上場インデックスファンド新興国債券は、2か月に1回分配金が支払われるシステムとなっています。
配当金の分配については、商品によって「年1回支払われる」「月1で支払われる」「申請しなければ支払われず、再投資に回る」などいくつかパターンがあります。
2か月に1回の配当金を確認したい方であればいいですが、数年~10年以上の長期にわたって投資をしたい方にとっては利回りを低下させることになります。
この商品は1回の配当につき約500円、年間で3,000円程度の配当金が受け取れます。
配当金をもらう際には20%程度の税金が引かれるため、手取りとしては2,400円です。
配当金をもらわず再投資に回る商品の場合、この税金分も再投資の対象額となるため、実質の利回りが低下する要因となってしまうのです。
上場インデックスファンド新興国債券がおすすめな人
以上の注意点をもふまえると、上場インデックスファンド新興国債券をおすすめできるのは次のどれかに該当する方となります。
- 投資信託を始めてみたいが、はじめての1つがわからない
- 少額で投資をやってみたい
- リスクを抑えながらも、そこそこのリターンを狙ってみたい
- 一定期間ごとに配当金を受け取って、資産が増えていることを確認したい
投資信託は数千種類以上あるといわれています。
ご自身の予算や年齢などに応じて、自分にあった商品を選んでみるようにしてくださいね。