投資信託は比較的ローリスクローリターン投資として知られていますがその中でも最も低リスクのものが公社債型の投資信託です。

公社債とは国や地方自治体、一般企業等が発行する債券で、最もリスクの低いのが国内の公社債、次いで先進国の公社債、最もリスクの高いものが新興国の公社債です。

公社債投資信託には国債(国内の債券)のみに投資するもの、国内の地方債(地方自治体の債券)に投資するもの、外国債(海外の債券)に投資するもの、それらを混ぜ合わせて運用されるもの(MMF、MRF)など様々です。

本ページでは銀行でも進められることが多い公社債投資信託の特徴やメリットとデメリット、種類等を解説します。




MMF?MRF?公社債投資信託の種類

公社債投資信託には先述した通り様々なタイプのものがありますが大きく、いつでも購入が可能な「追加型」のものと購入から償還(投信の終了)までの期間が定められている「単位型」の二種類に分かれます。

追加型投資信託はいつでも購入が可能

「追加型」とは原則いつでも購入、売却することが可能な投資信託のことで現在一般販売されているほとんどの投資信託がこの「追加型」に当たります。

公社債投信の場合、MMF(マネー・マネジメント・ファンド)やMRF(マネー・リザーブ・ファンド)と呼ばれる投信や、外国国債、外貨建てMMF等があります。

「追加型」はいつでも買付、売却することが出来ますが売却時に手数料、信託財産留保額が発生してしまう場合があります。

MMF(マネー・マネジメント・ファンド)とは?

国内外の公社債や短期の金融商品を中心に運用する公社債投資信託。購入単位は1円以上1円単位で行います。一般的に買付から30日以内に解約(売却)すると1万口につき10円の信託財産留保額(解約金のようなもの)が発生します。

MRF(マネー・リザーブ・ファンド)とは?

安全性の高い国内外の公社債や短期の金融商品を中心に運用する公社債投資信託。購入、換金は1円単位から。換金が自由に出来るため流動性に富んでおり、証券口座の投資資金として待機させておくためのものとして利用されることも多いです。一般的にMMFより利回りは小さいです。

単位型投資信託は期間が決まっている

単位型の投資信託は先述した通り運営の開始日、終了日が定められており、購入する場合は申し込み期間に申し込みをする必要があります。

投資信託全体から言えば単位型のものは少ない部類に入りますが公社債投信に限っては単位型のものも結構多いです。

 

単位型の場合募集期間が決まっているのでそれ以外の時期に購入することが出来ません。

また、償還日(運用の終了日)も決まっていてそれ以内に解約すると手数料が掛かってしまう場合があります。

国内債と外国債

国内の公社債は比較的安定的で元本を割るリスクが極めて少ないです。中には元本保証をしてくれるものもあり、投資として購入するよりも預金の一つとして運用する人がほとんどです。

ただし金利も0.05%以下と低く、定期預金と同程度かそれ以下である場合が多いです。

投資という名目で公社債投信を購入するなら現在は外国債が主流です。

投資対象はアメリカや欧州諸国等の先進国からインドやブラジル、南アフリカ等の後進国まで様々です。

外国債の場合ETF(上場投資信託)を購入するのが一般的です。

%e5%82%b5%e6%a8%a9

公社債投資信託のメリットとデメリット

次に公社債投信のメリットとデメリットを上げていきます。

と言ってもこれまで紹介したように公社債投信にも種類がたくさんあり、一概に「公社債投信はこうだ!」とは言えない部分があります。

例えば個人国債の投信と新興国債券の投信ではリスク、リターンに天と地の差ほどの違いがあり、同じ公社債投信でも中身は全くの別物です。

それでも株式型の投信や定期預金と比べた場合のメリットを上げるとすると、

  • 同国でも株式に比べて比較的リスクが低い
  • 国内債券に至っては極めて低リスク
  • マイナス金利の影響を受けないので投資資金や預金手段としてお勧め

 

といったところでしょうか。

公社債投信は株式に比べてリスクは低いです。なのでリスクの低い手堅い投資手段として外国債の投信などを購入するのも良いと思います。

国内債券に至ってはリスクがほとんどありませんがその分金利もほとんどありません。なので投資というよりは預金や投資資金として保管する目的で利用すると良いと思います。

公社債投信のデメリット

デメリットに関してもやはりどこの国の公社債かによって大きく変わってきます。

肝に銘じておきたいことはやはり「高利回りの債券はその分リスクが高く元本割れを起こす危険がある」ということです。

国内債券はリスクが極めて低いですがその分利回りは定期預金ほどしかありません。

逆に例えば南アフリカ・ランド建ての債券等は年利が7%を超えていたりもしますがその分リスクも非常に高くなってきます。

新興国は政治や経済が不安定で突如金融機能が停止してしまうような事態にならないとも限りません。国債がデフォルトしたギリシャの場合、完全に紙切れになったわけではありませんが元本の47%という低価値の新国債になりました。

更に外貨建てで運営するため必ず為替リスクも生じてきます。

7%。10%程度の利回りだと為替の変動によってマイナスになってしまうことも少なくありません。

デメリットをまとめると、

  • 国内債券はリスクも低いが利益は期待できない
  • 高利回りの債券はその分リスクも高い
  • 海外公社債は為替リスクもある

 

公社債投信を購入する場合は少なくとも上記3つを考慮する必要があります。

外国に投資するので為替リスクが生じますが逆に為替の値動きによっては利益となる場合もあります。

が、為替収益が出るかどうか予想することはほぼ不可能で、想定外の損失が出てしまう恐れもあるので懸念事項として考えておく必要があります。

まとめ

以上、公社債投資信託についてまとめると、

  • 国内の公社債は最も低リスクだが投資と呼べるほどの利益は得られない
  • 投資で収益を得るなら外国債が主流
  • 外国投資は為替リスクが生じる
  • 高利回りのものはリスクも高い

 

といったところですね。

外国債券はリスクが上がりますがアメリカや欧州等の先進国であれば比較的低リスクで投資が出来ます。

ただ、やはりその分利回りはあまり期待できないので合わせて株式等の投信も購入したいところです。

といった具合にポートフォリオ(資産構成)の一つとして公社債投資信託を組み入れるのが良いと思います。

「卵は一つのカゴに盛るな」

という格言があるように公社債投資信託は数種類の資産の一つとして保持するという感覚で考えましょう。