NISAで株の取引をすると「税制が優遇される」ということは知ってても、まだNISAの投資信託で運用している人はそこまで多くいません。
しかしNISAはその性質上、長期安定投資に適している制度で、特に投資信託の運用に向ています。
本ページでは、投資信託をNISAで運用するメリットとデメリットについて解説していきます。
NISAのメリットとデメリット
NISAで投資信託をするメリットはもちろん非課税になる、ということです。
投資による利益には本来約20%の税金が課せられますが、NISA枠で投資した利益分に関しては非課税、つまり税金が掛からなくなります。
例えば通常100万円投資して1年間で10万円利益が出れば約2万円の税金が掛かるわけですが、NISA枠の投資であれば非課税となり、税金が掛かりません。
年間120万円×5年間分が非課税
NISA口座は一人1口座、年間最大120万までの投資が5年間非課税になるという制度です。
この分で得た利益は完全に非課税となるわけですから、この範囲で投資する場合はNISAを使わないともったいないですよね。
しかしNISAには以下のようなデメリットもあります。
売却してもNISA枠は増えない
NISA枠は年間120万円と決まっているわけですが、この限度額は買付けの金額であり、売却しても増えることはありません。
例えば今年4月に120万円株を購入して、半年後の10月にその株を100万円売却してもNISA枠が戻るわけではありません。
最初(4月)に購入した時点でNISA枠満額となるのでそれ以上NISA枠で投資することが出来ません。
つまりNISAは売買益で利益を出す投資には向いていないと言えます。
損益通算が出来ないので赤字になるとデメリットしかない
NISA以外の口座であれば、黒字の口座と赤字の口座を損益通算することが出来ます。
例えば、例えば年間で100万円の利益が出たA証券会社の口座と、50万円の損失が出たB証券会社の口座があれば損益通算をして利益を50万円とすることが出来ます。
その際税金の対象となる課税所得は50万円で済みます。
しかし、NISA口座で損失が出ても損益通算することが出来ません。
そのため赤字が出てしまった場合NISAはデメリットでしかなくなります。
長期運用をすればデメリットはほとんどない
上述した通りNISAには、
1.売却してもNISA枠は増えない
2.損益通算が出来ない
という大きなデメリットがありますが、
1.すぐに売却しない
2.極力赤字を出さない
という運用方法を行えばデメリットをなくすことが出来ます。
つまりNISAは長期安定投資が向いているというわけです。
安定成長型のインデックスファンドが最も適している
長期安定投資、といえばこのサイトでは何度も紹介しているインデックスファンドがお勧めです。
特に先進国株や新興国も含む全海外株式等のインデックスファンドは比較的損失も出にくく、長期的に見て安定成長が期待できます。
NISA枠で投資する際は下記ページで紹介しているようなインデックスファンドに投資するのが効率的と言えるでしょう。
新しく投資信託向けの積立NISAもスタートする
2018年1月から「積立NISA」がスタートします(口座開設は2017年10より可能)。
これは少額からの積立や分散投資のためにつくられたNISAの新しい制度です。
いまの現状では現行のNISAと一緒に使うことはできないので、どちらか一つを選ぶことになります。
積立NISAの大きな特徴としては、現行のNISAに比べて非課税の期間が4倍で、非課税投資額が3分の1になるなので、少ない金額で長期的に投資したい人には積立NISAがおすすめです。
まとめ
NISA枠を使うと非課税になるのでむしろ使わないと損だ、と言えますが、NISAを使うことで生じるデメリットもあります。
しかし安定成長型の投資信託を購入して長期投資すればそのデメリットもほとんどありません。
逆にこれらの投資信託を買う際にはNISA口座を使わないともったいない、と感じてしまいます。
NISAは少し複雑で分かりにくい制度となっていますが、年間120万×5年間の以内で投資信託を積立すれば放っておいても損はないです。