投資信託の中にはノーロード投資信託と呼ばれるものがあります。
投資信託を複数見て比較等をしたことがある人なら誰でも知っている言葉ですが、これから投資信託を始めてみようか?
と考えている人にとっては聞きなれない言葉かもしれません。
ノーロード投資信託とは、購入時に手数料の掛からない(販売手数料が無料である)投資信託のことです。
購入時手数料が掛からない投資信託とは?
投資信託は銀行(地銀、都市銀、ゆうちょ銀行等)や証券会社、場合によっては保険会社からも販売されていますが、多くの場合購入時に手数料が発生します。
手数料は投資信託の種類、購入する窓口によって変わってきますが、一般的には下の表のように購入額の1%前後である場合が多く、購入単位が大きければ大きいほど手数料の割合は小さくなります。
※投資信託の購入時手数料の一例
この手数料が発生する投資信託は例えば100万円投資信託を購入すれば1.62%、つまり16,200円の手数料が購入時に発生します。
手数料の掛からないノーロード投資信託であればこの手数料は発生しません。
購入窓口によって手数料は変わってくる
購入時の手数料は投資信託そのものだけでなく、購入する窓口によっても変わってきます。
これもまた業界の中では当たり前の話ですが、多くの投資信託はたくさんの金融機関で販売されており、私達一般投資家は自分で購入窓口を自由に選ぶことが可能です。
中には「そこでしか販売していない」という投資信託もありますが、現在販売されている一般的な投資信託の大半は多くの銀行や証券会社で販売されているものばかりです。
例えば現在ゆうちょ銀行で売れ筋ランキング1位となっている投資信託、「東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)【愛称:円奏会】」は下の画像のように40社以上の金融機関で取り扱いがあります。
参考サイト:投資信託のモーニングスター
また、下の画像は価格.comのものですが、同じ投資信託でも販売会社によって購入時に手数料が掛かる場合と無料になる場合があります。
つまり手数料が発生するか、ノーロードかどうかは投資信託の種類そのものもそうですが、購入窓口によっても変わってくることがあるわけです。
ちなみにノーロード(no load)は直訳すると「負担無し」という意味になり、ノーロードにするかどうかの最終判断は販売する会社が決定します。
ノーロード投資信託にデメリットは特にない
購入時の手数料が掛かる投資信託と無料の投資信託、つまりノーロード投資信託を単純に比較すれば当然手数料の掛からないノーロード投資信託を買うメリットが大きいです。
同じ投資信託で同条件であればノーロード投資信託にデメリットはありません。
上述した例で言えば買う時に16,200円手数料が掛かるものと、それが無料のものという違いですから。
しかし同条件というのが肝心で、他の条件、例えば保有している間に掛かる手数料(信託報酬)等が高ければたとえ購入時に手数料が掛からないとしても損をしてしまう可能性があります。
手数料に関して最も重要な要素は購入時手数料ではなくランニングコストとなる信託報酬の方で、こちらを重要視して検討する必要があります。
関連記事:投資信託の手数料、信託報酬は安いものを選んで間違いなし
原則ノーロードを選んで問題なし
誤解されがちですが、購入時手数料が発生する投資信託の方が優良という可能性が高いわけでもありません。
投資信託は手数料が高い方が良い運用がされるというわけではないので、運用時手数料(信託報酬)、購入時手数料ともに安いものを選ぶべきです。
投資信託に限った話ではありませんが、投資、資産運用を上手く行う秘訣は無駄なコストを掛けないことです。
株、投資信託、債券投資、外国為替等、いかなる金融商品でも運用による利益を確定させることはできません。
しかしそれを運用するためのコストは確定されています。
同じ商品であればコストが安い運用方法を選ぶことで、少なくともそのコスト分の利益を生み出すことが出来るのです。
資産運用の上手い人は過去の運用利益より運用に掛かるコストを重要視しています。
投資信託で言えば、例えばスペシャリストが運用する手数料の高い投資信託よりもインデックス型の手数料の安いB投資信託を選びます。
なぜなら スペシャリストが運用するからといっても高い利益が確定するわけではありませんが、コスト高は確定するからです。
確定しない利益上昇よりも、確定するコストダウンを重要視すると資産運用は成功しやすいです。
投資信託の場合、ノーロード投資信託の中からさらに信託報酬の安いものを選んでいきましょう。