今日は今の若い世代が口を揃えて「老後のために」、「老後のために」という気持ちがわかる話をしましょう。

実は日本はもうすでに定年退職をすると多くの人が貧しくなってしまう状況にあります。

何故なら現段階で厚生年金の平均受給額は約15万となっており、これまで中流層だった人の収入が定年を機に一気に非正規雇用者と同等の収入になってしまうからです。

さらに問題は人は簡単に生活水準が落とせないということです。




老人の貧困問題の事例

浦島

貧困というと大げさに聞こえますが実際に中流家庭だった夫婦が二人とも定年退職し一気に貧しくなったという事例が身近にあったのでご紹介します。ちなみにその夫婦とは友人の両親のことです。

友人の両親はいわゆる団塊世代で3年ほど前に父が退職して年金暮らしに突入しました。母は早期退職済み。

父が公務員、母は銀行員で両親共々今の時代ならかなり安定的で平均よりやや上の生活ができる部類の仕事ですね。

なのでそれほど大きいわけではないですが一戸建てをローンで購入し車も二台所有していて、子どもも貧しさを感じることがない典型的な中流家庭だったわけです。

そのレベルの家庭だと二人とも働いているときは(聞いたわけではないのであくまで推測に過ぎませんが)世帯所得は少なくとも70万~90万、それ以上はあったと思います。

それが現在、二人の年金を合わせてせいぜい30万~40万程度でしょうか。公務員は共済年金ならもう少しあるかもしれません。

定年を過ぎた途端、世帯所得が半分以下に落ち込んでしまったわけですね。

もちろん高齢になれば子どもは独立していますし住宅ローンも払い終わっているので現役で働いていた頃よりも支出は少ないと思います。

だけど生活水準そのものを落とすことは簡単には出来ません

「30万もあれば十分生活出来るだろう」

と私でも思ってしまうんですが、現在生活費が足りないということで奥さんの方がコンビニで働いています。

人って簡単に生活水準を落とすことが出来ないんですよ。

今まで月60万使っていた人達が急に30万しか使えなくなっても中々30万円の生活になることが出来ません。

週一回の外食を一人3,000円のディナーから吉野家の牛丼に落とすことは中々出来ない。

実際昼間のコンビニなんかに行くと男女問わず高齢者が結構働いていますよね。

あれ、別に趣味でやってるわけじゃないんです。生活がキツイからやっているわけです。まあ特に高齢になるとボケやすいので働いた方がいいとは思っていますが…

老後の貯金はいくら必要?

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老後の蓄えはいくら必要か?

1000万?

2000万?

様々な議論がされていますが、私は特に大きく貨幣価値が変わらなかったとした場合、少なくとも現時点で3000万円以上は必要だと思っています。これでも全然足りません。

3000万という数字がどこから来た数字なのかと言うと単純に一人当たり少なくとも月30万は必要であると考えているからです。

現在の年金の給付額は平均15万円ほどです。30万必要であれば残り月15万、年間で180万円年金以外の所得が必要という計算になります。

65歳を過ぎると人間は平均的に後20年生きると言われているので180万円×20年=3600万円となるわけです。

だから最低でも3600万円は欲しい。妥協して3000万円、残り600万円くらい頑張って節約しろという考えで方です。

ただ、3000万円という貯蓄では普通に使うとあっという間になくなってしまいます。

多くのファイナンシャルプランナー、専門家達は一人当たり5000万、夫婦で1億必要とも言っています。

参考記事:「安心な老後」には、いくら貯金が必要なのか

ちなみに5000万貯金するためには毎月10.5万円の貯金を40年間続ける必要があります。たぶん普通のサラリーマンには給料だけで5000万円の貯蓄を作ることはほぼ不可能だと思います。

だから投資が必要

5000万円は無理でも定年退職する65歳の3000万円の蓄えがあり、それを投資に回すと大きく変わります。

投資は下手な金融商品に手を出さない限り年利5%くらいは手堅く得ることが可能であると言われています。うまく運用している人は7%以上安定的に得ています。

年利5%あれば3000万円でも年間150万円の利益が出ます。

これだけあればかなりゆとりが出てきます。

だからみんな投資をするわけですね。まとまった貯蓄のある人は特に。

老後も就業中も投資はいつでもできる

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特に長期投資を目的とした投資信託の場合毎日取引を行うわけではないので仕事をしながらでも出来ます。もちろんほったらかしにしておくのは危険ですがそれでも購入時にダメな商品を買わなければ大きく失敗することは少ないでしょう。

例えば毎月3万円を30年間積立投信を購入したとしましょう。

30年間毎年平均5%ずつ成長すれば約2500万円になります。これが貯蓄だと1080万円です。

30万ずつ積立

これに加え毎月2万ずつ定期預金をすれば30年間で合わせて3200万円ほどになります。

合わせて毎月5万ずつでこれだけの資産を作ることが可能なわけなんですよね。

「こんなに上手くいくわけがない」

と思うと人もいると思います。

そうやって疑うことができる人は投資に失敗しにくい人です。

ですが年利5%は決して高い理想ではなくむしろ投資の世界では最低限の儲けと言われるくらいの範囲です。

銀行や証券会社では年利8%~10%が見込めると営業する人が多く、投資信託業界ではその範囲を基準として考える人が多いです。

なので上記の年利5%は上手く行き過ぎの話ではなく、手堅い投資で見込める範囲です。

まとめ

雪だるま2

日本はもうすでに準備をせず定年を迎えてしまうと貧困層になってしまう状態になっています。これは少子高齢化が進む限り、日本の人口減少が進む限り年々厳しくなっていく一方でしょう。

最近まで高齢者は定年の引き上げに対して反対的な意見を持つ人が多かったですが、今後はむしろ定年の引き上げを要求する時代になるのではないかと予想します。定年が伸びればその分収入を得ることが出来るわけですから。

実際先日「同一労働同一賃金制度」が施行されることが決定しました。

「同一労働同一賃金」2019年度施行へ 政府、5月末に閣議決定

これは今まで非正規雇用の若い世代がずっと訴えてきたことでしたがこの制度が導入される気配はありませんでした。

何故今になって同一労働同一賃金制が導入されるようになったかというと、定年退職後の高齢者が再雇用制度で働く際にこの制度が有利になるからと言われています。高齢者にやさしいですからね日本は。

つまり定年までに準備をしないと老体に鞭を打ってずっと働かなければならない時代になりつつあるというわけです。そのうち定年制度もなくなるでしょう(先進国で定年制度があるのは日本くらい)。

だから準備が必要なわけです。

そして賃金が下がる一方の現代で老後に安心できる資産を作る方法は投資が最も堅実です。

日本では投資をしている人はどちらかというと少数派のイメージですが日本ほど社会保障が整っていないアメリカでは預金より金融資産を買う方が一般的です。

投資と聞くと「なんだか難しそう」と不安を覚える人も多いと思いますが、ローリスクローリターンの投資から入れば大きく損することはほとんどないのでまず小さいところから始めてみましょう。