直販型、独立系の投信会社の中でも最も人気のあるセゾン投信。

セゾン投信が運用する投資信託は2本あり、そのうちローリスクローリターン投資に適しているのは本ページで解説する「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド(以下単にバランスファンドと呼ぶこともある)」です。

セゾンのバランスファンドは設定以来順調に資産を伸ばしており、2016年6月現在純資産総額は1000億を超えています

中野晴啓社長自ら投資信託に関する書籍を数冊書かれており、投資信託の入門書を経てこのファンドを知った人も多いのではないでしょうか。

著書では当然自社の投資信託は「買いである」と推奨しているわけですが、本当に買うべき投資信託であると言えるでしょうか。

本ページでは「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド」は買いなのか、その中身や運用実績を見て解説します。

セゾン投信が運用販売しているもう一つの投資信託、資産形成の達人ファンド(下記ページ)も合わせてご参考ください。

セゾン投信の資産形成の達人ファンドは買いなのか




 安定成長投資の要件は満たしている

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結果から言うとセゾンのバランスファンドは投資先及び運用実績から見て安定成長の要件を満たしており、ローリスクローリターン投資として購入を検討すべき一本だと考えます。私もローリスクの安定投資、資産運用の一つとして積立投資をしています。

詳細は後述しますがセゾンのバランスファンドは現代ポートフォリオ理論(MPT)をもとにした考え方で運用されており、株式と債券にそれぞれ50%ずつ国際分散投資を行っています

現代ポートフォリオ理論とは株や債券等複数のアセットクラス(資産クラス、同じような値動き、リスクを持つグループ)へ分散投資すればリスクを減らせるという理論で、ノーベル経済学賞も受賞しており世界中から支持されています。

セゾン バンガード・グローバルバランスファンドの概要


ファンドオブファンズ形式で運用。合計8本のインデックス型ファンドを通じて国内外の株式50%、債券50%の分散投資を行う。ノーロード。分配金再投資型。


モーニングスターレーティング:★★★


リスクメジャー:やや低い~平均的


信託報酬:0.69%±0.03%


運用及び販売会社:セゾン投信

安定成長ファンドに分散投資

セゾンのバランスファンドは複数の投資信託へ投資するファンドオブファンズ形式で運用されています。

投資対象ファンドは以下の8本です。「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド」という名称の通りすべてアメリカのバンガード社が運用するインデックスファンドです。

ファンド名ベンチマーク投資
対象
資産
配分
信託
報酬
バンガード・U.S. 500 ストック・インデックス・ファンドS&P500 インデックス米国株27.2%0.10%
バンガード・ヨーロピアン・ストック・インデックス・ファンドMSCIヨーロッパ・インデックス欧州株11.4%0.30%
バンガード・ジャパン・ストック・インデックス・ファンドMSCIジャパン・インデックス日本株4.1%0.23%
バンガード・パシフィック・エックスジャパン・ストック・インデックス・ファンドMSCIパシフィック・エックスジャパン・インデックス太平洋株2.0%0.23%
バンガード・エマージング・マーケット・ストック・インデックス・ファンドMSCIエマージング・マーケット・インデックス新興国株4.7%0.27%
ンガード・U.S.・ガバメント・ボンド・インデックス・ファンドバークレイズ・グローバル・アグリゲート・U.S.・ガバメント・フロート・アジャスト・ボンド・インデックス米国債24.0%0.20%
バンガード・ユーロ・ガバメント・ボンド・インデックス・ファンドバークレイズ・グローバル・アグリゲート・ユーロ・ガバメント・フロート・アジャスト・ボンド・インデックス欧州債18.1%0.20%
バンガード・ジャパン・ガバメント・ボンド・インデックス・ファンドバークレイズ・グローバル・アグリゲート・ジャパン・ガバメント・フロート・アジャスト・ボンド・インデックス日本債7.4%0.20%

上記組み入れファンドの資産配分をグラフで表すと下記の通りとなります。

セゾンバランスファンド

株式と債券の比率はそれぞれ50%ずつ、国内投資が少なく米国を中心に先進国の割合が多いのが特徴的です。

インデックス型のファンドで長期的に資産を増やすためには安定成長株や債券に投資する他ありません。

参考記事:初心者はインデックスファンドを購入するべきだと言われるのは何故か

欧米、豪州等の先進国は日本に比べ成長率が高く、また安定性も高いので安定成長投資として最も適していると言えます。

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また、株式と債券の比率を50%ずつにすることでリスク分散を図っています。

光明院

ウォール街のランダムウォーカーの著者で経済学者のマルキール教授は「広範に分散したポートフォリオを作れば、リターンを高めてリスクを低くすることができる」と指摘している。セゾンバンガード(以下略)は株式と債券という異なるアセットクラスに分散することでリスクを軽減しつつリターンを高めることを目的として組まれたファンドだ。

信託報酬が安くノーロードである

「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド」はファンドオブファンズ形式で運用されるバランス型ファンドです。

この手の投資信託は手数料が割高になるためお勧めできないという意見も多いです。

表紙

確かにセゾンのバランスファンドも不要な手数料を払っているという見方もできます(詳細は後述のデメリットにて)。

しかしセゾンのバランスファンドの信託報酬は税込みで0.69±0.03%(実質負担)となっており、同分類のファンドとしては非常に安価なものとなっています。※投資信託情報サイト、モーニングスターによると同分類の平均は1.49%(実質負担)となっています。

また、組み入れファンドが違うので単純に比較することはできませんが、同じくバンガードの海外インデックスファンドに投資する「三井住友・バンガード海外株式ファンド」の信託報酬は1.324%(実質負担)となっているためセゾンのバランスファンドの信託報酬は比較的安価であることがうかがえます。

参考資料:三井住友・バンガード海外株式ファンド紹介ページより

さらに購入時手数料も掛からないので積立投資にも向いています

(積立は月5,000円~1円単位で設定可能。年2回ボーナス用に定期増額も可能)

現に安定成長し続けている

論より証拠、ではないですがセゾンのバランスファンドは設定された2007年以降約9年間順調に資産を増やし続けています

※薄いピンクが純資産、青のグラフが基準価額です

セゾン純資産

下画像はトータルリターンです。ここ1年くらいはマイナスとなっていますが3年、5年で見るとその安定性がうかがえます。

トータルリターン(セゾン)

運用実績はあくまで過去の結果に過ぎず将来を保証するものではありません
が運用方針に従って安定成長を遂げていることが分かります。

セゾン バンガード・グローバルバランスファンドのデメリット

ローリスクローリターンの安定投資として適していると言えるセゾンのバランスファンドですが一つだけデメリットがあります。

それはやはりファンドオブファンズ形式では避けがたい信託報酬の問題です。

信託報酬二重取りはやはり損?

「セゾンのバランスファンドは比較的信託報酬が安いから買いである」

と先述しましたが、実際のところセゾンが組み入れているインデックスファンドを自分で揃えてコストを安くすることは可能です。

バンガードのインデックスファンドは信託報酬が非常に安く世界中で人気のあるものが多いです。

日本ではバンガードの投資信託を日本の証券会社から直接購入することはできませんがETF(上場投資信託)として販売されているので、日本の証券会社から上述した表に近いインデックスファンドを購入すれば自分でバランスファンドを形成することが出来きます

例えば最も比率の多い「S&P500 インデックス」に連動するファンドには「バンガード・S&P 500 ETF」があり経費率は0.05%程度米国債券等のETFは経費率0.01%程度のものも多く、非常に安いコストで運用することが可能なわけです。

つまりコストを突き詰めていけばファンドオブファンズを購入するより自分で買い揃えた方が良いわけで、バランスファンドは無駄に手数料を払っていると言えなくもありません。

ただ、バランス型投資信託は買いなのか?という記事に詳しく書きましたが、バランスファンドの最大のメリットは資産配分のリバランス(バランスの調整)にあるため、この部分を自分でやるか、人に任せるかで手数料を払っても良いかどうかを考えるべきです。

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光明院

端的に言うと複数の投資信託を比較検討して理想的なポートフォリオを組み、定期的にリバランスが出来る人にはこのファンドはそれほど必要ではないだろう。しかし投資信託にそれほどのめり込むつもりもなく、「資産運用の一つとして投信を一本検討している」という人には適していると言える。

まとめ

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セゾン バンガード・グローバルバランスファンドは買いなのか?

をまとめると
現在海外投資をほとんどしておらず、国内株の投信を中心に保持している人やまだ金融商品をのものをほとんど購入していない人には長期投資の一つとして非常にオススメである
と考えます。

逆にすでに海外投資が中心である人、特に海外ETFをバランスよく購入する知識がある人はあえてこのファンドを購入する必要はないかと思います。

投資信託を買うべきかどうかは信託報酬を支払う価値があるかどうかで決まると言っても過言ではありません。

セゾンのバランスファンドの信託報酬は比較的安価なので私は「このくらいなら支払う価値がある」と思って購入しました。

まだ投資信託を持っていなくてこれから検討されている方、国内株式中心の投信しか所持していない方は是非ご検討ください。

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