投資信託という言葉をご存じの方も多いと思います。
地方銀行等だと少しお金を預けるだけで勧められることもあるので株式投資に全く興味のない人でも知っているのではないでしょうか。
投資信託は読んで字のごとく信用出来る人に託す(任せる)投資手法のことを言います。
例えば株式投資は通常自分で銘柄(会社)を選んで株を購入するわけですが、特に初心者の場合どの会社の株を買えば良いのかわからない、どのタイミングで売れば良いのかわからないので失敗しやすいです。
投資信託は手数料を払って投資の運用をプロ(ファンドマネージャーと呼ばれています)に任せてしまおうという手法です。
投資信託のメリットとデメリット
投資信託は別名ファンドとも呼ばれていて、ファンド(fund)は英語で基金、資金、資本等を意味します。
個人投資の場合、個人の資金で投資先に出資しますが、投資信託は複数の投資家から集められた資金を一つの基金にまとめ、投資信託運用会社のファンドマネージャーによって運用されます。
そのため投資信託は主に下記のようなメリットとデメリットがあります。
まとめて専門家が運用するので低リスク
先述した通り、投資信託は複数の投資家から資金をかき集めて運用するので分散投資が可能となり、リスクが軽減されます。
例えば1つの銘柄だけに投資していた場合、その銘柄の値下がりがそのまま資産に影響してきますが、投資信託で分散投資をしていた場合、全体的に値下がりしない限り資産に影響を及ぼしません。
特に低リスクを売りにしている投資信託は相関性のある銘柄(Aが下がればBが上がるというような関係のある銘柄)を選んで運用するので全体的に落ち込むことは少ないです。
専門家が運用するので誰でも簡単に投資が可能
債券にしても、株にしても、不動産にしても、個人で投資をする場合ある程度その分野に関する知識がないと資産を増やすことは難しいです。
その銘柄が今安いのか、高いのか、いつ買うべきなのか、売るべきなのか・・・
投資をする際は少なくとも相場を理解しこれから値上がりするかどうかある程度予想を立てなければいけません。
しかし投資信託はそれら投資先を選ぶのは専門家(ファンドマネージャー)です。
投資家が考えることは「どの投資信託を買うか」だけOKです。
ネットや銀行等、窓口で投資信託の種類を見てみれば、「ブラジル○○ファンド」みたいな商品があって、どれぐらいの儲けが見込めるか、実績はどんなか、を調べることが可能です。
株のこと、不動産のことなんてよく分からない・・・
という人でも預金感覚で始められるのが投資信託です。
ただしどの投資信託が良いか?
はある程度見抜けるようになる必要があります。それがわからないと儲かる見込みの薄いいわゆるゴミファンドを掴まされます。
デメリットはお金が掛かること
投資信託の最大のデメリットは資産運用をプロに任せる以上、やはり手数料が掛かってしまうことです。
通常株式投資や為替取引(外貨の取引)等では購入時や売却時等スポットでしか手数料は発生しません。
しかし投資信託は資産運用を任せている以上、購入時、換金(解約)時の他に運用管理費用として常時手数料が引かれます。
※投資信託の種類によっては購入時、換金時(解約時)は手数料が発生しないものもあります。
運営管理費用について
運営管理費用(信託報酬とも呼ばれる)はを選ぶ際の重要なポイントとなるため、投資信託の紹介ページに「年間○%」という記述が必ずされています。
年率は1%以下から3%以上と様々です。信託報酬の表記は年率になっていますが、実際は日割で計算されます。
例えば年利1%の場合1日当たり0.0027%(1%÷365日)となり、10万円に掛かる手数料は1日当たり2.7円(税別)となり、運用している資産から毎日引かれます。
関連記事:投資信託の手数料、信託報酬は安いものを選んで間違いなし
投資信託の種類
投資信託の種類は様々ですが、以下の4つに大きく分類されます。
- 株式
- 債券
- 不動産
- その他(純金、通貨等)
これらが更に国内投資か、外国投資かや、いつでも買付、解約が出来る「追加型」か、買付、解約期間が決められている「単位型」か等投資信託には様々な種類があります。
例えば大手の証券会社、SBI証券で投資信託を検索してみると、国内投資だけに絞ってみても下画像の通り500件以上の投資信託がヒットします。
本サイトでは人気のある投資信託をピックアップして解説しているのでご参考ください。
カテゴリ:投資信託の種類
投資信託で得られる利益
投資信託に主に二つの利益を得る手段があります。
一つはキャピタルゲイン(capital gain)と呼ばれる売買益による利益。
もう一つは保有することで得られるインカムゲイン(income gain)と呼ばれる分配金です。
このキャピタルゲインとインカムゲインは投資信託に限ったことではなく、投資全般に使われる言葉です。
通常の株式投資はもちろん債券でも、不動産投資でも同様にキャピタルゲインとインカムゲインがあります。
キャピタルゲインとは
「株で儲かる」のイメージはこのキャピタルゲイン(売買益)によって得られる利益が強いと思います。
例えば1万円で買った株が15,000円に値上がりして、そのタイミングで売れば5,000円儲かるというもの。
1万円で買った商品を15,000円で売って5,000円儲かる、だから紛れもなく売買益です。
投資信託でも同じように投資信託を買付した時の価格より価値が上がっている状態で売却すれば売買益を得ることが可能です。
ただ、投資信託の場合期間があらかじめ設定されている「単位型」の場合は解約することが出来ませんし、解約時に手数料が掛かることも多いので注意が必要です。
売買によって損失が出てしまった場合をキャピタルロス(値下がり損)と呼びます。
インカムゲインで中長期的に資産を増やす
世間一般で言われるいわゆる「株で儲けている人」は先述した売買益で儲けているイメージが強いですが、投資信託に中長期間で投資してインカムゲイン(分配金)で資産を増やしている人も多いです。
例えばニッセイ-ニッセイJ-REITファンド(毎月決算型)という投資信託の分配金実績を見てみると、ここ数カ月40円ずつとなっています。
たった40円ですか・・・
と思うかもしれませんが一口現在6,300円程なので10口買っておけば月額400円、年間で4,800円になります。
金利0.01%程度のゆうちょ銀行に6万円預けても6円しか得ることはできないので比較すると投資信託の分配金、インカムゲインが如何に大きいかが分かります。
ただ、投資信託はあくまで「投資」なのでもちろん元本保証はありません。預金感覚で始められますが保証のある預金とは違うのでリスクを考える必要があります。
どこで提供しているか
投資信託は主に下記の3つの会社によって運用されています。
- 販売会社
- 運用会社
- 管理会社
この中で実際に投資信託を買える窓口は基本的に「販売会社」になりますが、運用会社がネットで販売も行っているものもあります。
販売会社は対面とネットがある
投資信託が買える窓口は様々ですが大きく分けて面と向かって対面で購入する対面型と、ネット通販感覚で購入するネット型の2つのタイプがあります。
対面型の販売会社は誰もが利用する銀行(地銀、都市銀、ゆうちょ銀行等)や生命保険会社、証券会社等です。
「投資信託を検討しています」
と言えば丁寧に説明してくれます。店舗の担当者がいるので自分に合った商品を選んでくれたり資産運用のアドバイスを貰えたりします。
ネット型はSBI証券や楽天証券等が提供しているもので、口座開設から取引までネット上ですべて行うことができます。
ネット型は担当者がいないのでどれを購入するかを自分で選ぶ必要がありますが、その分購入手数料が比較的安いというメリットもあります。
参考記事:購入できる投資信託の種類が豊富なおすすめネット証券会社
運用会社は投資信託を運用する会社
運用会社はその名の通り、投資信託を運用する会社で、主に母体が銀行系や証券会社となっています。
普段関わりを持つことはありませんし、投資信託を選ぶ際に重要視する必要もありません。
投資信託は通常運用する会社と販売する会社が別になっていますが、運用会社が直接販売する直販型と呼ばれるものもあります。
関連記事:直販型の投資信託は買いなのか
資産を管理するのは管理会社
投資信託はもう一つ、資産を管理する管理会社が必ず別にあります。
投資信託は運用会社によって運用されていますが、資産そのものは管理会社(主に信託銀行)にて管理されています。
こちらに関しても銀行や証券会社で販売されている一般的な商品であればあまり気にする必要はありません。
まとめと補足
投資信託は資産運用をプロ(ファンドマネージャー)に任せて投資するので預金感覚で気軽に始めることが出来ます。
更に普段日常的に利用している銀行等でも取り扱っているので、
「投資信託を始めたいのですが・・・」
と相談すれば担当者が喜んで説明してくれます。投資信託は金融会社からすれば商品なのでどんどん売りたいわけです。
しかし低リスクと言っても「投資」なので預金とは違って元本保証はありません。
「負けにくい投資」
言われていますがやはり大きく損をしてしまう人も少なくありません。
ただ、投資信託は少し預金があると地方銀行でも勧めてくる程身近な投資なので、買っている人の中には「そもそも自分がどういった投資信託に投資しているかさえも分かっていない」という人も多いです。
よく分からず、何も勉強せず投資すれば失敗してしまいます。
まずは商品を理解することから始めましょう。