投資信託の中は基本的に投資信託を運用、企画する運用会社と販売する窓口が分かれていますが、中には運用会社が直接販売する直販型と呼ばれる投信もあります。

直販型の投資信託の主な特徴は以下の4つ。

  • 購入窓口が一つ(その運用会社のみ)となっている場合が多い
  • 販売会社を通さないので比較的ローコストを実現
  • 一つの運用会社が運用するファンドは比較的少ない
  • 銀行、証券会社等と資本関係がないため独立系とも呼ばれる

 

購入窓口はそのファンドの運用会社の窓口、またはウェブサイトからのみとなります。そのため基本的にインターネットから資料を取り寄せて口座開設する流れになります。

本ページではこれらの特徴を持つ直販型の投資信託について解説していきます。




直販型投資信託の種類

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直販型、独立型の投資信託の先駆けとして知られるのは1999年に設立されたさわかみ投信です。

日本の投資信託がスタートしたのは1950年代と言われているので独立型の投信が誕生したのはかなり後になってのことなんですね。

最も長い歴史を持つものでも99年、それ以降はすべて2000年に入ってから誕生したものばかりで独立系の投信はまだまだ新しいものばかりです。

直販型投信の会社は現在8社、13種類の投資信託があります。

直販型投信一覧表

直販型投信8社、13種類のファンド(投資信託)を表にまとめました。

会社名ファンド名設定投資対象信託報酬純資産
さわかみ投信さわかみファンド1999年8月国内株式1.05%2500億
ありがとう投信ありがとうファンド2004年9月世界分散
(株式)
1.6%105億
セゾン投信セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド2007年3月世界分散
(株式&債券)
0.74%1000億
セゾン資産形成の
達人ファンド
2007年3月世界分散
(株式)
1.3%140億
クローバー・アセット
マネジメント
浪花おふくろファンド2008年4月世界分散
(株式)
1.65%9.3億
らくちんファンド2008年4月世界分散
(株式)
1.60%7.1億
かいたくファンド2008年4月世界分散
(株式)
1.60%5.7億
コドモファンド2013年4月世界分散
(株式)
1.9%44億
レオス・キャピタル
ワークス
ひふみ投信2008年10月国内株式1.029%300億
ユニオン投信ユニオンファンド2008年10月世界分散
(株式)
1.9%37億
コモンズ投信コモンズ30ファンド2009年1月国内株式1.21%71億
ザ・2020ビジョン2013年12月国内株式1.24%46億
鎌倉投信結い2101ファンド2010年3月国内株式1.05%180億

表には記載していませんが上記ファンドはすべて長期積立投資向けのファンドとなっており、購入手数料なしで安いものなら3,000円から積立投資が可能です。

直販型、独立型の投信の歴史は浅いですが中には純資産1000億円を超えるファンドもあり、安定的に成長しているものもあります。

直販型投資信託のメリットとデメリット

次に直販型のメリットとデメリットを上げてみます。

主なメリットは、

  • 購入時手数料が掛からない(ノーロード)
  • 運用会社が長期運用志向であるため長期投資に適している

 

の2点です。後者の「運用会社が長期運用志向である」というのは会社が持つファンドが少ないため(中には1本のみの場合もある)、ファンドの運用終了がすなわち会社の終了となるので会社の存続を賭けて長期的に運用しようとしています。

そのためどのファンドも長期運用に適した分配金再投資型となっています。

直販型投信のデメリット

デメリットは以下の3つ、

  • 本数そのものが少ないため選択肢が少ない
  • 運用年数が浅いものが多い
  • アクティブ型が多く信託報酬が高め

 

特に問題となるのがやはり運用年数が短いものが多いという点です。

独立型投信のほとんどがまだ運用年数10年を迎えておらず、「本当に長期的にやっていけるか」を疑問視せざるを得ないものもあります。

もう一点、上記一覧表を見ていただくと分かりますが信託報酬が1%を超えるものがほとんどとなっています。

これはほとんどの独立型ファンドの運用方針が平均以上の結果を目指すアクティブ型となっているためです。1%前後であればアクティブ型としてはそれほど高いものではないと感じますがやはり1.5%を上回るファンドは少々割高感が否めません。

唯一「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」のみパッシブ型の運用で信託報酬0.74%と低コストを実現出来ているのでローリスク投資するなら選択肢の一つに入れるべきかと思います。私も定期購入しているファンドの一つです。

まとめとお勧めのファンド

以上をまとめると、直販型、独立型投信は、

  • 購入時手数料が掛からないので長期積立投資の対象としてオススメ
  • 投信会社の運用方針も長期運用を目指している
  • アクティブ型が多いのでややハイリスク投資となるものが多い
  • 運用年数が短いものはリスクが高い

 

といったところです。

上記ファンドから選ぶなら「運用年数は短くてもリーマンショックがあった2008年以前からあるもの」で、「純資産総額が30億円を超えているもの」という条件は絶対守りたいところです。

お勧め直販型投資信託(参考)

直販型、独立型の投信13種類の中からお勧め出来るものは、セゾン投信が運用する「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」と「セゾン資産形成の達人ファンド」、ありがとう投信が運用する「ありがとうファンド」の3つです。

上記3つのファンドは設定以来、リーマンショックで一度資産を落とすものの、それ以降安定的に純資産を伸ばし続け今日まで安定成長を遂げています。

「ありがとうファンド」に至っては信託報酬がやや高いことがやや難点ではありますが、その分結果が出ているので選択肢の一つとして考えていいと思います。

セゾン投信の2つのファンドに関してはローリスクローリターン投資なら「バランスファンド」、ハイリスクハイリターン投資ならアクティブ型の「達人ファンド」を選ぶと良いでしょう。

いずれにしてもスポット購入するのはリスクが高いのでノーロード(購入手数料無料)を活かした積立投資で安定的に資産をう増やしていきましょう。

参考記事:ドル・コスト平均法、積立型投資信託のメリットを詳しく解説