投資の基本は購入した金額より高い金額で売却することで得られる売買益(キャピタルゲイン)によって利益を得ることです。

それは投資信託にも言えることで、巷では分配金に頼って利益を得るもののように言われることも少なくありませんが基本的には売却によって生まれる差額が利益となります

だとすると売るタイミングによって得られる利益が大きく変わってくるのではないか?

適切な売るタイミングはいつだろうか?

と考える人は多いと思います。

が、特に長期的に運用する場合、購入するタイミングと同様売却するタイミングも特にシビアに考える必要はありません。




投資信託を売るべきタイミングはあるのか

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ETF(上場投資信託)なら別ですが通常の銀行や証券会社等で販売されている投資信託は市場の影響を受けて価値が上がったり下がったりするものではありません。

例えば投資信託は基準価額が順調に上がっていて最高値に達した後下降に向かった時に売られやすいですが、ここで売る人が殺到したからと言って基準価額が下落するというものではないんです。

基準価額では判断できない

投資信託は基本的に購入した時より基準価額が高い時に売れば利益が出ます。

なので基準価額が高い時に売れば儲けが出るわけですが、もっと上がる可能性もありますし、逆に下降する可能性だってあります。

そのタイミングを見極めることが出来るかどうかというと、きっとどんな優秀な投資家でも難しいでしょう。

基準価額は株価とは全く性質が違うので基準価額だけを見て売るべきか、買うべきかの判断をすることは出来ません。

参考記事:基準価額が下がっている投資信託を買ってはいけない理由

だから長期投資をするわけです。

買うべきタイミング、売るべきタイミングは誰にも分らないわけですから安定成長型の投資信託を購入して長期投資することが投資信託で堅実に儲ける唯一の方法です。

基本は長期保有、必要な分だけ売却しよう

安定成長型の投資信託は利回りはそれほど高くありませんが安定的に資産を増やしてくれるので保有し続けることが一番利益をもたらしてくれます。

例えば2004年から安定的に資産を増やし続けているありがとうファンドはまさに3年よりも5年、5年よりも10年保有している人が大きな資産を築いています。

ありがとうファンド

安定成長の投資信託が今後も100%伸び続けるとは限りませんが、ファンドの純資産が増え続ける限り安定的な運用が期待できるでしょう。

3年目で儲かった、5年目で儲かったと思って手放した人はとてももったいないなあと感じます。まあ後からならいくらでも言えることですが。

投資信託は一部だけ売却して引き続き投資し続けることが可能なのですべて売却するのではなく必要な時に必要な分だけ売却して運用するのが賢明です。

ダメな投資信託はすぐ売るべき

koin

ただ、ダメな投資信託は長期的に保有しても損するだけなので出来る限り早く手放すべきです。

でもこれが中々出来ず、9割の人が投資で失敗する原因でもあります。

人間の思考は完全に合理的に考えられるわけではないので必ず損をすると分かっていても、周りに損すると言われてもその損をする行動を取ってしまう行動をしてしまうことが少なくありません。

金融の世界には「行動ファイナンス」という言葉があり、始めから非合理的な行動をしてしまう心理を前提で理論展開がされています。

だからこそ損をしたくなければ合理的な考えを押し通さなければなりません。

こんな投資信託はすぐ売るべき

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買うべき投信、持ち続けるべき投信は限られていますが売るべき投信は無数に存在します。

  • 基準価額が下がり続けている
  • 純資産が下がり続けている
  • 毎月高額の分配金を支払い続けている
  • 明らかに旬を過ぎている

 

上記4つのうちどれか一つでも当てはまっていれば即売却すべき投資信託の対象となります。

基準価額が下がり続けているものは基準価額が上がる見込みはありませんし、純資産も減り続けていれば最悪の場合繰り上げ償還(早期にファンドの終了を迎える)の可能性も出てきます。

毎月高額の分配金を支払い続けている投資信託は同時に基準価額や純資産を減らしていれば即売却すべきです。まだ基準価額、純資産が下がっていなければ利益が出ているうちに売却した方が身のためです。毎月高利回りの分配金を支払う投資信託は非常にリスクが高いです。

最近だとIT関連やオリンピック等、テーマ型と呼ばれるファンド(投資信託)は旬を過ぎるともう上がる兆しはありません。当たり前ですが。

それでも保持し続ける人は少なくありません。売却して現金化すると大赤字が確定してしまいますが持っていれば万が一にも上がる可能性がある(かも)と思っているからです。

しかし上がる可能性が万が一にあっても残り9千9百は更に下がる見込みしかありません。早々に売却して損失が小さくなるように努めましょう。これが結構難しいですが、「だから9割の人が投資で失敗する」と自分の胸に言い聞かせると結構手放せます。

「投資の秘訣は損切りにある」と言っても過言ではありません。

成長の兆しがないダメな投資信託はさっさと売却して優良ファンドに切り替えましょう。