投資信託を含め投資で利益を得る方法は買った金額より高い金額で売却することが基本です。

投資で得られる利益には配当金や投資信託の分配金等といったインカムゲインもありますが、投資した株、ファンドそのものが大きく元本割れをしてしまうとトータルで赤字となってしまいます。

投資信託の場合購入価格、売却価格の決め手は基準価額となり、利益を出したければ原則基準価額が安い時に購入し、高い時に売却することが理想的であると言えるでしょう。

なので「購入する時は出来るだけ基準価額が安い時に購入したい」「安く購入できるタイミングはいつだろうか」と考える人も多いと思います。

しかし投資信託に関しては購入タイミングを深く考える必要はないと思っています。

というのも投資信託は株と違い、

  • リアルな値動きに合わせて購入することが出来ない
  • 市場によって価格が上下するわけではない
  • そもそも投資信託は長期投資向け

 

という3つの性質があるからです。




投資信託はシビアな値動きに付いていけない

チャートについていけない

株取引の場合、高いレベルで価格変動に合わせてリアルタイムで購入することが出来ますが投資信託ではそれが出来ません。

何故なら投資信託の基準価額は通常1日に1度しか更新されないからです。

基準価額の決定のタイミング

投資信託の基準価額は「純資産総額÷総口数」で決定されます。

そして投資信託の純資産総額はそのファンド(投資信託)が保有している金融資産(株や証券、不動産等)の終値が決まってから算出されます。

つまり投資信託はそれらの取引が終了するまでは基準価額を決定することが出来ず、株式を組み込んだファンドであれば必ず証券取引所の取引が終了する午後3時以降に決定されます。

投資信託の取引のタイミング

株取引と同じように投資信託も取引の終了時間があります。

投資信託の取引終了時間は一般的に株取引の終了時間に合わせて午後3時かそれ以前(午後2時頃)となっています。

それ以降の時間に注文した分は翌営業日以降となり、基準価額が更新されてからの注文となります。

つまり、例えば午後2時頃に「国内株が上がりそうだから買いだ」と思って購入しても株価が3時直前に反発し大きく値下がりしてしまうと翌日の基準価額は下がり、損をしてしまうことになります。

ただでさえ株価を読むことは難しいわけですが、終値で決定される投資信託の基準価額は必ず後出しになってしまうため値動きを読んで購入することはほぼ不可能です。

市場によって基準価額が決まるわけではない

基準価額についてはこちらの記事に詳しくまとめていますが基準価額は株価と違って需要と供給のバランスによって決定されるわけではありません

株価は売りが殺到すれば値下がりし、買いが増えると値上がりしますが、投信は基準価額が下がったのを見てたくさんの人が買っても値上がりするわけではありませんし逆も然りです。

基準価額は原則そのファンドが保有している資産価値によって決まってくるので基準価額が大きく下がっているから上がりやすいとか、逆に大きく上がっているから下がりやすいとはならないわけです。

そのため基準価額の推移を見て現在の基準価額が相場より高いのか安いのか判断することはできず、基準価額の推移を見て買うタイミングを決めることは全く意味がありません。

マリア2

下がっているから今が買い時、上がっているから今買うと損という概念がなければ購入タイミングを図る必要はないですよね。

投資信託は長期投資向けである

「基準価額が1日1度しか変動しない」

「市場の需要と供給によって価格が決まるわけではなく資産価値によって価格が決まる」

という性質を持っている投資信託は短期取引に向いておらず長期投資向けの投資手法であるということが分かるかと思います。

そして長期投資は資産を長期的に保有することで徐々に資産を増やす手法となるので購入するタイミングをそれほどシビアに考える必要はありません。

ただ、スポットで一気に数百万以上購入する場合は確かに購入するタイミングが重要になってくると思います。

が、長期投資をする場合はスポットで購入するより積立で投資をした方がリスクが低く安定的に資産を増やせるのでスポット購入するメリットはほとんどありません。

参考記事:投資信託は積立で買うべきかスポットで買うべきか

そして長期的に積立投資をする場合、それこそ購入するタイミングを気にする必要はほぼなくなります。そもそもそのタイミングに左右されないようにするための積立投資ですから。

マリア2

今が買い時だ!というのが分からないから積立投資をするわけなので、タイミングを図る意味は何もないですよね。

買おうと思った時に買うが正解

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これまで述べてきた通り、投資信託は長期投資向けの金融商品です。

そして長期投資はドル・コスト平均法を用いた積立投資が最もリスクが低く資産を伸ばしやすいです。

積立投資の場合、購入するタイミングの良し悪しは関係なく、

「良いと思った金融商品を見つけたら買う」

という判断で問題ありません。

銀行の担当者や証券会社の担当者に、

「今が買い時ですよ!」

という言葉に惑わされず自分で良いと思ったものをその日のうちに購入して積み立てて行きましょう。