投資信託の中にはファミリーファンド方式と呼ばれるものがあり、銀行や証券会社等で販売されている人気のある投信の中にもこのファミリーファンド方式のものが多数あります。
ファミリーファンド方式のファミリーはその名の通り親子を意味し、その運用形態としては私達投資家は子ファンド(ベビーファンド)に投資し、ベビーファンドが親ファンド(マザーファンド)に投資するようになっています。
簡単な図で表すと下記のようなイメージです。
マザーファンドにもベビーファンドにも様々な種類がありますが私達一般投資家が投資出来るのはベビーファンドのみです。
ベビーファンドには世界インデックスファンドやeMAXIS先進国株式インデックス等様々で、私達一般投資家はこれらの投資信託を銀行や証券会社等を通じて購入するようになります。
ファミリーファンドの特徴とメリット
ファミリーファンド方式のメリットとも言える特徴は主に2つ。
一つは小さい資本で大きなマザーファンドに投資出来ること、もう一つはベビーファンド一本でそのマザーファンドに複数投資出来ることです。
ベビーファンド1本で6つのマザーファンドに投資
ファミリーファンド方式には一つのマザーファンドに投資するタイプのものも多いですが一本で複数のマザーファンドに投資するタイプのものもあります。
例えば三井住友トラスト・アセットマネジメントが運用する「世界経済インデックスファンド」は国内債券や国内株式、外国債券等6本のインデックスマザーファンドに投資します。
規模の大きい6本のインデックスファンドに投資出来るので少額で低リスクで安定的な分散投資が可能です。
※画像は三井住友トラスト・アセットマネジメントより
デメリットは手数料が高いこと?
ファミリーファンド方式はファンド・オブ・ファンズと同様、ファンドに投資する投資信託なので手数料、信託報酬がやや高いことが懸念されますが、上記世界経済インデックスファンドを始め、インデックス型の投信であれば非常に安い手数料のものもあります。
手数料の安さのみを追求すればファミリーファンド方式は除外されますがバランスよく分散投資がしたいというのであればデメリットと言えるほどの手数料ではない投信も多いので買いであると言えます。
ファミリーファンド方式の投信の種類
いつくかオススメのファミリーファンド方式の投信をご紹介します。
オススメ基準としてはやはり手数料が安いことです。
インデックス型のものであれば信託報酬が0.7%を切っているものもあるのでローリスクローリターン投資として一つ購入しておいても良いでしょう。
世界経済インデックスファンド
先述した三井住友トラストの世界経済インデックスファンドは少額で世界中に分散投資が出来るのでローリスク投資としては非常にオススメ出来ます。
信託報酬も0.54%と非常に安価で優秀。長期投資の主軸として積立投資をするのが良いでしょう。
ただし一点だけ留意したいことは新興国株、新興国債券の割合が合わせて35%とやや大きいのでその分のリスクは考慮しなければいけません。
※世界経済インデックスファンドのポートフォリオ
楽天資産形成ファンド(愛称:楽天525)
明治安田アセットマネジメントが運用するバランス型ファンド。
こちらも日本を含む世界各国へ投資するタイプの投資信託で6本のファンドへ分散投資を行います。
特徴としてはやはり信託報酬が0.54%と非常に安価なことです。投資先のファンドの中には個人で投資出来るものもありますが直接投資するよりも信託報酬が安くなるので信託報酬が二重に掛かって損してしまうということはありません。
楽天資産形成ファンドは国内投資がメインで資産の約6割が国内株式、国内債券で占められています。
楽天証券から販売されており、ノーロード(購入時手数料なし)、月1,000円からの積立投資が可能なので安定的に資産を増やしていきたいという人にお勧めです。
※楽天525の資産配分
SMTグローバル株式インデックス・オープン
三井住友トラストが運用するインデックス型の投資信託です。
こちらも信託報酬は0.54%で長期的かつ安定的に資産を増やしたいと考える人に適しています。
マザーファンドは外国株式インデックスマザーファンド一本で、日本以外の世界主要国に分散投資を行います。
投資先の地域構成としては北米が68%と大半を占め、27%が欧州、残り5%は中東やアジア、オセアニア諸国となります。
※画像は三井住友トラスト・アセットマネジメントより
設定から8年、現在純資産総額は約500億と順調に資産を増やし続けており安定成長を遂げています。
ネット証券から申し込むとノーロードで購入できるので積立投資としてオススメ出来ます。
ただし、国内投資が一切ないのでリスク分散のために合わせて国内投資型のファンドなどに投資することをお勧めします。
まとめ
ファミリーファンド方式はファンド・オブ・ファンズに比べて信託報酬が安いものが多く、また一般投資家が購入できないファンド、一般投資家以上に安く購入できるものがあるので購入メリットは多いです。
ただし、複数のマザーファンドに投資していると中身が複雑で見えにくくなるので何に対してどれくらい投資しているかしっかり把握することが重要です。
上記3つの投資信託はいずれも信託報酬が安くノーロードで購入できるものばかりなので積立投資、分散投資として選択肢に入れておくといいと思います。