幅広い資産に分散投資を行う上で非上場投資信託と上場投資信託(ETF)のどちらを利用して投資を行うか迷っている方も多いのではないでしょうか?

どちらも優れた資産運用方法なので、迷ってしまうのも仕方がないでしょう。

ここではETFを選ぶメリットと、実際に運営されているETFの商品を紹介していきます。




ETFを選ぶメリット

ここでは、銀行や証券会社から直接購入が出来る投資信託(非上場投資信託と)比較してETFを選ぶメリットを解説していきます。

ETFは信託報酬が安価

ETFは非上場投資信託と比較して信託報酬が安いです。これは市場に上場している事で金融機関に支払う販売手数料が必要ないからです。

インデックスに投資するETFの信託報酬は0.14%〜0.078%、信託報酬が高いと言われるアクティブ型のETFでも0.6%以下の物が殆どなので、非上場投資信託と比較するとETFはコストの安さ優位性があります。

長い期間投資を行う上でランニングコストは非常に重要です。

その重要性を具体例を挙げてご説明します。

仮に同じ資産クラスに投資する投資信託、A投信とB投信があり、AとBが投資する資産はどちらも年利5%だったと仮定します。

信託報酬はA投信が0.08%、B投信は0.6%、どちらも分配金は再投資します。

どちらの投資信託にも100万円投資したと仮定します。

A投信の実質リターン
(リターン5%−信託報酬0.08%=実質リターン4.92%

B投信の実質リターン
(リターン5%−信託報酬0.6%=実質リターン4.4%

年数A投信
(実質リターン4.92%)
B投信
(実質リターン4.4%)
1年1,049,200円1,044,000円
2年1,100,821円1,089,936円
3年1,154,982円1,137,893円
4年1,211,806円1,187,960円
5年1,271,427円1,240,231円
6年1,333,981円1,294,801円
7年1,399,613円1,351,772円
8年1,468,474円1,411,250円
9年1,540,723円1,473,345円
10年1,616,526円1,538,172円
15年2,055,295円1,907,689円
20年2,613,158円2,365,974円

AとBの投資信託は5年間で31,196円、10年間で78,354円、15年間で147,606円、20年間で247,184円のリターンに差が出てきます。

この差はAとBの信託報酬の差0.52%分だけ複利効果が削られることが原因で生まれます。

1年間で見るとわずかな差ですが、長い期間投資を続けることでその差は大きな額になっていくので、信託報酬は絶対に低い方が良いのです。

参考記事:投資信託の手数料、信託報酬は安いものを選んで間違いなし

指値注文が出来る

ETFは市場に上場しているので自分で値を決めて売買ができます。

非上場投資信託は基本的にその投資信託を100万円分購入する(購入出来る口数は基準価額にて決定)という買い方をするのが一般的です。積立投資の場合も同様です。

しかし株式投資の場合、例えば「100万円でこの株を100口買いたい」と指定し、その金額まで株価が下がれば取引が成立する、という指値注文と呼ばれる買い方(売り方)をすることが出来ます。

ETFは上場しているので他の株取引と同様に指値で注文が行えるので、「この金額まで下がったら買いたい」という注文の仕方が可能です。

ETFには分配金が必ずある

ETFは分配金が支払われることが法律で定められているので、必ず分配金が支払われます。

ETFの分配金は非上場投資信託と同じように年に1回支払われるものもあれば、毎月分配金が支給されるものもあります。

そして非上場投資信託と同じように分配金の利回りが高いからと言って良いETFとは限りません。

ETFは収益が出れば分配金が支払われると法律で定められていますが、利益が出てない場合は当然分配金は出ません。

非上場投資信託と同様に毎月高額な分配金が支払われていたETFが、運用の途中で分配金が大きく下がってしまうということも少なくありません。

分配金についての考え方は非上場投資信託とほぼ同じで、高利回りの分配金を毎月支払っているETFには注意が必要です。

参考記事:高利回りの毎月分配金支払いの投資信託を買ってはいけない理由

ただし非上場投資信託と違い、ETFは利益が出ていれば少なくとも年に1回分配金が支給されます。

ETFはそれを見越して計画的に運用する必要があります。

おすすめETF

ここでは、おすすめの国内、海外のETFを6種類ご紹介します。

いずれもSBI証券や楽天証券等のネット証券会社で購入することが出来ます。

MAXIS トピックス上場投信(1348)

  • 運用資産 4250億円
  • 連動指標 東証トピックス
  • 信託報酬 0.078%


三菱UFJ国際投信が運用する東証トピックスに連動する事を目的とするETFです。

長年の運用実績から高い指標連動性が認められ根強い人気があり、高い流動性と運用資産額を確保しています。

ETFで東証トピックスに投資するのなら、MAXIS トピックス上場投信がお勧めです。

ダイワ上場投信-日経225(1320)

  • 運用資産 約1.7兆円
  • 連動指標 日経平均株価
  • 信託報酬 0.19%


大和投資信託が運営する日経平均株価に連動する事を目的とするETFです。

日本有数の運用資産額を誇り、その高い人気と流動性から安心して投資する事ができます。

ETFで日経平均株価に投資するのなら、ダイワ上場投信-日経225が良いでしょう。

上場JPX400(1592)

  • 運用資産 約77億円
  • 連動指標 JPX日経インデックス400
  • 信託報酬 0.10%


日興アセットマネジメントが運営するPX日経インデックス400に連動する事を目的とするETFです。

低コストで高いリターンが期待できるJPX日経インデックス400に分散投資ができる!ということで高い人気があります。

JPX日経インデックス400が設定されてから、まだそれほど期間が経っていないのですが驚くような規模で運用資産が拡大しています。

海外ETF

ここでは流動性、資産規模、指標連動性の3つを満たす、おすすめの海外ETFを3種類ご紹介します。

海外ETFは海外の取引所に上場していますが、下記3つともSBI証券や楽天証券等国内の証券会社で購入が可能です。

SPDR(1557)(SPY)

  • 運用資産 約290兆円
  • 連動指標 S&P500(配当込み)
  • 信託報酬 0.0945%


ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズが運用する世界最大規模の運用資産を誇る世界的に有名なETFです。

その途方も無い運用資産が、このETFが世界中の投資家から信頼されている事を証明しています。

アメリカ市場、日本市場、シンガポール市場の3市場に上場していて、それぞれの市場からS&P500に手軽に投資する事ができます。

素晴らしいETFですが、日本市場では知名度が低い為か出来高は平均500前後です。

流動性が気になる方は、流動性の高いアメリカ市場から投資される事をお勧めします。

バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)

  • 運用資産 約5620億円
  • 連動指標 FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
  • 信託報酬 0.14%


バンガード社が運用するこのETFは、先進国、新興国の大・中・小型株式8000以上の銘柄に分散投資する事ができます。

これ程の分散投資を1つのETFで行えるETFは他にありません。

以前はアメリカ市場のみの取扱いだったため外国の証券会社で口座を開設するしかありませんでした。それでもこのETFを購入するためにIB証券等を開設する人も多かったです。

現在は若干経費率が高くなっていますが(0.18%)、SBI証券からでも購入出来ます。

iシェアーズ iBoxx 米ドル建て投資適格社債 ETF(LQG)

  • 運用資産 約3.4兆円
  • 連動指標 iBoxx®米ドル建てリキッド・投資適格指数
  • 信託報酬 0.19%


iシェアーズが運用する、このETFはアメリカの投資適格級債券指標に連動する事を目的としており、このETFに投資することでアメリカの格付け安定的以上の会社が発行する1000以上の債券に分散投資することができます。

安定的は抜群で外国債券に分散投資するのなら、このETFに投資すれば事足りるでしょう。

まとめ

ここまで紹介したようにETFには非上場投資信託にはないメリットや、魅力的な商品が沢山あります。

その為ETFを上手く活用していけば、きっと貴方の理想とする資産運用を行うことができるでしょう。

是非、ETFを貴方の資産運用に役立ててください。




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