「ニッセイグローバル好配当株式プラス(毎月分配型)」という投資信託商品をご存知でしょうか。

国内外のさまざまな株式へ投資することで利益をあげ、毎月分配金がもらえる日本ではトップ3に入るぐらいの人気投信商品の一つとなっています。

しかし、人気商品ではあるものの当サイトではあまりおすすめはしておりません

その理由はなぜか。以下で順を追ってご紹介いたしましょう。




ニッセイグローバル好配当株式プラスの概要

まずは、この商品の基本情報を確認します。

名称 ニッセイグローバル好配当株式プラス(毎月分配型)
対象 株式
地域 国内外
利回り 3.40%
総資産額 1,196億円
基準価額 7,144円(1万口あたり)
信託報酬 1.50%(税別)
為替ヘッジ なし
※情報は2017年11月末時点です。

ベンチマークに連動する運用を目指しているインデックス型ではなく、ベンチマーク以上の運用を目指すアクティブ型の投信商品です。

株式投資を対象としているため、成果は運用するファンドマネージャーの腕に左右されるのが特徴です。

こうしたハイリターン商品は信託報酬が2%近いこともあるのですが、人気ということもあり総資産額が大きいため、信託報酬は少し抑えられて1.57%(税別)となっています。

1万口あたりの分配金は、ここ数か月のデータを見るに200円で推移しています。

プレミアムプラス戦略を取り入れることで安定化を図る

ニッセイグローバル好配当株式プラスは、プレミアムプラス戦略というものを取っています。

これは、保有している投資信託が一定水準以上に値上がりしても収益が頭打ちになる代わりに、収益の安定化をうながすねらいがあります。

毎月数百円の配当金が安定して供給できるのは、このプレミアムプラス戦略の効果ともいえます。

【結論】ニッセイグローバル好配当株式プラスはおすすめできない

人気の高いニッセイグローバル好配当株式プラス(毎月分配型)ですが、当サイトではおすすめしておりません。

その理由としては、

  • アクティブファンドのため手数料が高く利回りが落ちる
  • 毎月分配型は元金を切り崩す場合もある
  • 基準価額が下降傾向

の3つが挙げられます。

理由1:アクティブファンドのため手数料が高く利回りが落ちる

前章でも少し触れましたが、アクティブファンドはベンチマークを上回る運用を目指す投信商品です。

ハイリターンが期待できるものの、ファンドマネージャーの技量に委ねられることが多いです。

こうした背景から購入手数料・信託手数料などは高めに設定されていることが大半で、仮に運用実績がよいとしても手数料の高さであまり利益を享受できないこともあります。

この商品の購入手数料は3%信託報酬はやや高めの1.5%です(ともに税別価格)。

アクティブ商品は運用実績や目論見書などから、商品を見極める眼が必要になってきます。

あまり経験がない初心者はインデックスファンドを購入するのがいいでしょう。

理由2:毎月分配型は元金を切り崩す場合もある

当サイトでは基本的に毎月分配型の投資信託商品はおすすめしておりません。

理由はいくつかありますが、大きなものとしては元金を切り崩してまで分配金を支払うようなシステムとなっているからです。

投資が黒字のときは収益から支払われるので問題ありませんが、赤字のときは元金から補填されて分配金が支払われます。

(この元金から切り崩した分を「元本払戻金(特別分配金)」といいます。)

関連記事:毎月分配型の投資信託で損失が出る仕組み

では黒字になっている投資信託なら問題ないの?と思うかもしれません。

実際にニッセイグローバル好配当株式プラス(毎月分配型)の運用結果を覗いてみましょう。

理由3:基準価額が下降傾向

投信商品を選ぶ際は、総資産額と基準価額が右肩上がりになっているかを確認するのが基本です。

2017年11月末時点でのマンスリーレポートを見てみると、過去約3年間、ずっと右肩下がりで2014年頃から現在まで基準価額は半額以下にまで下落しています。

ここ1年のデータを見ても、2017年1月は約9,000円だったのが、11月末では7,000円近くまで下がっています。

これだけ見ても、ニッセイグローバル好配当株式プラス(毎月分配型)を買うのは避けたほうが無難と言えるでしょう。

 

以上が、当サイトでニッセイグローバル好配当株式プラス(毎月分配型)をおすすめしない3つの理由です。

投資信託初心者はインデックスファンドがおすすめ

「じゃあ、どんな商品を買えばいいの?」

という方に対しておすすめするのがインデックスファンドです。

アクティブファンドとは違ってベンチーマークに沿って運用することを狙いとしているので、リスクが少ないことが利点です。

総資産額や基準価額が右肩上がり(もしくはそれに近い状態)になっていることも、しっかりと確認しておきましょう。

また、分配金に目を奪われずに「手数料(信託報酬)はどれぐらいかかるのか」「分配金はありか、なしか」などもしっかりと見ておくことをおすすめします。

投資信託が初めての方であっても、これらをしっかりと自分で確認するだけで今後の経験につながります。

ただし、インデックスファンドはリスクが低い分、リターンも控え目です。

投資で儲けたいと思っている方や、すでにある程度の経験がある中級者にとっては、少し物足りなさを感じてしまうこともあります。

関連記事:初心者はインデックスファンドを購入するべきだと言われるのは何故か

世間に惑わされず商品を見極める眼を

ニッセイグローバル好配当株式プラス(毎月分配型)は確かに人気商品ではありますが、1つ1つじっくりと吟味していくと避けたほうがいいと思えるようになります。

Webや書籍などのさまざまな情報を自分で吟味して、商品を選ぶ眼を見につけていきましょう。